よく頑張ったね。そう思った県民も多いだろう。重い心臓病を患い、心臓移植のため渡米していた森川陽茉莉(ひまり)ちゃん(1歳10カ月)の移植手術が終了したというニュース

▼支援団体によると、しばらくは鎮静状態で人工呼吸器も付けているが、経過は良好だという。渡米後には脳出血もあり心配されたが、小さい体で耐え抜いた。そんな姿に応援メッセージが続々と届いている

▼多くの企業や団体、個人など県民らの募金で命をつなぐ手助けができたことも喜びたい。これまでにも心臓移植の子を県民の募金で救った経験も大きい

▼一方、父親の孝樹さんが、勤め先の関東で募金活動をする中で、移植手術への理解が進まない歯がゆさを話してくれたことがある。2010年の改正臓器移植法の施行で、15歳未満の脳死での臓器提供が可能になったが、日本では提供数が伸びない現状も背景にあるだろう

▼日本臓器ネットワークによると、心臓移植を希望する15歳未満は29人で、うち10歳未満は19人(9月30日現在)。法改正後、15歳未満からの臓器提供は9例で、10歳未満の心臓移植は4例にとどまる

▼臓器提供の意思に関する調査では「臓器提供について家族と話をしたことが一度もない」の回答が約7割に上った。陽茉莉ちゃんの回復を願いつつ、あらためて関心を深めたいテーマだ。(赤嶺由紀子)