沖縄県内の75歳以上の運転者による人身事故が2015年は272件発生し、10年前に比べて約2倍に増えていることが県警のまとめで分かった。75歳以上の運転免許保有者は年々増加し、10月末現在で4万5747人。全国で高齢運転者による人身死亡事故が相次ぐ中、県警交通企画課は「加齢に伴う身体機能の変化に応じた慎重な運転を心掛けてほしい」と呼び掛ける。(学芸部・榮門琴音)

 集団登校の児童の列に軽トラックが突っ込んだり、病院敷地内で乗用車が暴走したりするなど、全国で高齢運転者による死亡事故が相次いで発生。関係閣僚会議で、安倍晋三首相が運転に代わる高齢者の移動手段の確保の検討を求めるなど、問題化している。

 県内では2005年からの10年間、全体の人身事故件数は6千件前後で横ばいだが、75歳以上の運転者が過失の重い「第1当事者」となった人身事故は141件から272件に増加。死者は計30人、負傷者は計3074人に上る。75歳以上の免許保有者は、13年の3万8088人から毎年2500人前後増えている。

 県警によるとアクセルとブレーキを踏み間違えて前方の歩行者をはねたり、交差点左折時に道路側にいた歩行者にぶつかったりするなど、操作の誤りによる事故があった。

 加齢が進むと身体機能や認知機能が低下し、重大事故を引き起こす恐れがあるため、県警は運転に自信がなくなった人に運転免許の自主返納を呼び掛けている。高齢者を含む全年齢の自主返納件数は13年1324件から右肩上がりで増え、ことしは10月末現在で2181件に上る。

 自主返納するとバスやモノレール、タクシーの運賃割引など優遇措置がある。県警は企業や関係機関にも協力を呼び掛け、ホームページで優遇措置一覧を掲載。同課は「一般運転者も、高齢運転者に配慮した優しい運転に努めてもらいたい」と話している。