「しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」。公開された少年の手記(17日紙面)を読んで、心動かされ、力をもらった人もいただろう

▼少年は、原発事故後、福島から横浜に自主避難したが、転校した小学校で2年からいじめを受け続け、不登校にもなった。手記は小6の時に書かれている。「いままでなんかいも死のうとおもった」。少年の心を長く占めたであろう暗い絶望を思う

▼福島から来たというだけで「ばいきん」扱いされ、「ほうしゃのうだとおもっていつもつらかった」。事故の賠償金があるだろと言われた。悔しかったが「またいじめがはじまるとおもってなにもできずにただこわかった」

▼殴られ、階段で倒され、金をとられとむご過ぎる。執拗(しつよう)ないじめは鬼の所業に思えただろう。「なんかいもせんせいに言(お)うとするとむしされてた」。先生の対応も有り得ない

▼保護者が2年前から被害を訴えても、いじめ防止対策推進法に基づく委員会が立ち上がったのは今年1月である。学校の対応はことごとく遅く、ぬるく、甘く、保身を疑う。鬼の字を使って記せば醜い

▼世間では虐待を超えた虐待、いじめを超えたいじめが相次ぐ。「被害がなくなってほしい」。少年が生を選んだ決意、手記を公表した思いを書き写していて、文字がかすむ。(宮城栄作)