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  • 北部訓練場を警備する機動隊員の「土人」発言、政界でも議論に
  • 政府内では「差別的」との認識が広がるが、閣内で見解が一致せず
  • 県議会でも自民が「抗議する人も暴言」と反論、激論となった

 米軍北部訓練場の警備で沖縄に派遣された大阪府警の機動隊員が、市民に「土人」と発言した問題は、政界でも議論の対象となっている。政府内では「差別的な発言だ」との認識が広がり各閣僚が発言を批判したが、鶴保庸介沖縄担当相が「差別と断定できない」とするなど、閣内で見解が一致していない。抗議決議案を可決した県議会では、野党側から「抗議する人も暴言を繰り返している」などの反論が挙がり、激論となった。

鶴保沖縄担当相は「差別と断定できない」との見解を繰り返している

「土人」「シナ人」発言から1カ月の動き

鶴保沖縄担当相は「差別と断定できない」との見解を繰り返している 「土人」「シナ人」発言から1カ月の動き

 「土人」発言が明らかになった直後の10月19日、菅義偉官房長官は記者会見で「許すまじきことだ。言うべきではない」と批判。政府は、発言者を大阪に帰任させる配置換えを即断した。

 松本純国家公安委員長も21日の衆院内閣委員会で「発言は不適切であり極めて遺憾」と指摘。金田勝年法相は25日の参院法務委員会で「『土人』は差別用語に当たるか」と問われると「同じように思う」と答弁し、差別用語だと認めた。

 ただ、鶴保沖縄相は「差別と断定できない」との見解を繰り返し、その真意を「差別かどうか判断する立場にないという意味だ」と釈明。撤回はしていない。

 県議会は抗議決議案を可決した28日の臨時会で、野党の沖縄・自民が「反対派の暴言も悪質で聞くに堪えず、自制を促す必要がある」などと主張。警察官の問題発言より市民側の言動への批判に力点を置き、独自の決議案を提出した。

 照屋守之氏は「日本政府も国民も誰も県民を侮辱していないし、差別もしていない」と述べ、機動隊員の個人的見解だと強調した。

 これに対し、与党は「圧倒的な権力を持つ警察官と市民の発言を同列に扱うべきではない」(共産の渡久地修氏)と反論。中立の賛同を得て、発言を「県民への侮辱」とする決議・意見書案を賛成多数で可決した。金武町議会、宜野座村議会も、発言に抗議する意見書を可決している。宜野座村議会は唯一、全会一致の可決となり、抗議の宛先に鶴保沖縄相を盛り込んだ。