今後わが国が超高齢社会を迎えていく中で、“中高年男性を高いQOL(生活の質の向上)でささえるべく医療サービスの提供”が求められています。すなわち少子高齢社会の現実を救う方法の一つとして「元気な高齢者を増やす医療」がこれからの重要なテーマです。

 長寿社会を迎える一方で最近の男性は「覇気がなくなり何となく弱々しくなった」とよく言われます。それに比べて近ごろの女性側の活躍には目を見張るものがあり、政界や経済界においては勢いすら感じます。

 医学界においても女性医療には産婦人科を中心として更年期障害、美容外科等女性専用外来の歴史は古いのですが男性専用外来はあまりお目にかかれません。女性は男性に比べ“いつまでも若く美しく”という願望が強く、自己への投資を惜しまない傾向にあり健康管理や抗老齢化(アンチエイジング)にも高い関心を持ち、年齢に比べて実に健康で若々しく美しい御婦人が多いと感じます。

 昔CMで「男は黙って…」という言い回しがはやりましたが、その意は「男は四の五の言わずに黙って自分の仕事をしろ」というニュアンスが含まれており、男性はストレスをためこみ精神的、身体的に追い詰められて疲弊してしまう傾向にあり、自殺者の7割は男性だという報告もあります。そして男性と女性の平均寿命の差は約7・7歳と大きく開きがあります。これからは中高年男性も自己の健康管理に関心を持ち、対策を講じなければなりません。

 「元気のない男性」の中には老化に伴い男性ホルモンが欠乏している方も多く潜在しているといわれています。最近では男性更年期障害がマスコミで大きく取り上げられている一方で、それを主訴とする患者さんが診療現場を受診されても対応のできる施設が少なかったのも現状です。

 そこで私ども泌尿器科医はそのような患者さんの悩みにも対処していけるように取り組んでいきたいと考えています。

 2015年の国勢調査では65歳以上の高齢者の割合が約26・7%となっており今後もますます高齢者の割合が増加していきます。そうなれば少子高齢化の時代においての70歳台、80歳台はもはや老人ではなく青壮年です。

 これからは男性側も“いつまでも健康で若々しく、高いQOLを維持し、すてきでかっこいい人生を過ごそうではありませんか”

 子供が大人に憧れて背伸びをするように、若者らが憧れるようなすてきな老人をめざしていきましょう。(名城文雄・なしろハルンクリニック院長)