1 那覇地方裁判所沖縄支部は、本日、普天間基地爆音訴訟について、爆音の違法性を認定し、損害賠償を命じた。本判決は、1次訴訟に引き続き、同基地から発生している爆音の違法性を認定し、住民に及ぼす甚大な被害を認めたという点で意義がある。

 2 すなわち、本判決においては、普天間基地の騒音が受忍限度を超える生活妨害や睡眠妨害などを生じさせている事を認定した上、沖国大ヘリ墜落などの事故の頻発を指摘し、住民が米軍機墜落の不安感や恐怖感を感じていること、その精神的被害を増大させていることを認定している。また、騒音被害が生活妨害等にとどまらずそのストレスによって高血圧症発生といった健康上の悪影響のリスクが増大することを認めている。そして、本判決は普天間基地の騒音被害について、単なるうるささにとどまらない、深刻で複合的な被害が発生していることを指摘し、これらの事実を踏まえ、過去最大の賠償額を認定している。

 また、国が主張していた「危険への接近」は全面的に排斥された。普天間基地の被害を過小に見せかけようとしてきた国の弁解が断罪されたといえる。

 これらの点で本判決は一定の評価をなし得るものである。

 3 しかしながら本件訴訟においても、住民が最も切実に求めていた爆音の差し止めについては、これまで同様に「第三者行為論」によって排斥されている。

 また、そうでありながら、普天間飛行場提供協定の違憲無効確認および憲法上の裁判を求める権利侵害については正面から判断することを避けており、結局原告らの抜本的救済についてはまたも実現されない結果となった。

 国と米軍によって基地周辺住民に違法な損害が現在も日々発生しているというのに、それを司法が阻止できないという現状を司法自らが認めることは、法治国家、民主主義国家としてあるまじき事態で、司法の自己否定である。

 米軍機による被害の発生防止は第三者行為論により排斥され、裁判を受ける権利を侵害されている事実は認めない、これでは、原告らは合法的な救済手段を得られないまま、永遠に被害を甘受せよというに等しい判決であって、到底是認することはできない。

 4 わたしたちは、福岡高等裁判所那覇支部に控訴し、かかる地裁判決の誤った判断を是正させるとともに、日米両国政府に対し、住民が受け続けている被害を真摯(しんし)に受け止めさせ「静かな夜」を実現させるよう強く求めるものである。

 2016年11月17日

 普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団 

 第2次普天間基地爆音訴訟弁護団