戦時下の庶民生活を描いたアニメ「この世界の片隅に」が那覇市の桜坂劇場で上映されている。ほのぼのとした日常を少しずつ戦争に壊されていく中、現実に向き合うヒロインのしなやかな強さが印象深い作品となっている。

戦時下の素朴な庶民生活を描いた「この世界の片隅に」

 第2次世界大戦中の広島県呉市が舞台。こうの史代の同名漫画が原作で、片渕須直監督が映画化した。

 1944年、広島市に住む主人公すずは18歳で軍港がある呉市に嫁ぐ。のんびり屋のすずは、ドジを繰り返しながら周囲となじんでいく。新妻として乏しい物資をやりくりして食事を工夫し、空襲警報も冗談交じりにやり過ごすなど、夫周作やその家族と和やかに日常を送る。

 45年、すずは空襲でめいっ子とともに爆発に巻き込まれる。そして地元広島市に原爆が投下される。主人公の声は女優のんが担当。登場人物の丸みがある広島弁が戦時下の日常を彩り、柔らかな色味で素朴な生活が描かれる。牧歌的な作画の中に登場するきのこ雲や砲弾が異質さを感じさせる。(学芸部・松田興平)

■バリアフリーに対応

 「この世界の片隅に」を公開中の桜坂劇場は「バリアフリー上映」を実施している。同作品は視覚障がい者向けに音声ガイドへ対応。スマートフォンとイヤホン持参で、専用アプリをダウンロードする。聴覚障がい者向けに20~23日まで日本語字幕付きで上映する。問い合わせは同劇場、電話098(860)9555。