那覇市の泊魚市場の競り機能を糸満漁港に全面的に移転する県計画について、県が計画を見直し、泊漁市場に一定規模の競り機能の維持を検討していることが18日までに分かった。那覇市近辺の漁業者や市の要望を踏まえた。糸満は県外・海外出荷を含む水産物の流通拠点と位置付け、泊魚は那覇市を中心とする「消費地市場」機能に特化し、それぞれ役割分担を図る方針だ。

県が作成した再整備後の泊漁港のイメージ図。上空を沖縄西海岸道路が通過する

 泊魚市場は漁港岸壁の耐震化や沖縄西海岸道路の建設工事を控えるほか、糸満に比べ面積が小さい。県は泊の再整備を困難視し、競り機能を含めて糸満に全面移転する方針を決定。高度衛生管理が可能な密閉型の競り市場や管理棟、県外・海外出荷向けの加工処理施設を2017年度に実施設計、20年4月の完成を目指している。

 一方、県は泊市場の消費地機能の重要性も認める。那覇市はマグロの県内水揚げ量の50%を占め、国内外の観光客でにぎわう鮮魚直売所「泊いゆまち」を中核に水産振興を図る方針。那覇地区漁業協同組合(山内得信組合長)など6組合が泊魚市場で競りを続ける方針を示し、那覇市も支援を表明していた。

 県水産課の担当者は「那覇市は泊いゆまちを発展させ、再整備する形で糸満と役割分担できるのではないか」と指摘。「競り機能の大部分は糸満へ移し、泊はある程度の規模を維持することで共存共栄は可能だ」と説明した。

 那覇地区漁業協同組合の山内組合長は競り機能の「役割分担」について「競り市場が2カ所できることは反対。老朽化や衛生問題は泊の再整備で解決可能だ」と強調。6組合を中心に近く「泊魚市場再開発推進協議会(仮称)」を立ち上げるとし、「もう一度糸満の新市場の是非を問うべきだ」と訴えている。