資格があるのに保育士として働いていない「潜在保育士」の82%が「正規」か「パート」での雇用を望む反面、認可保育所などの求人の63%が「臨時フルタイム」となっていることが、沖縄県と県保育士・保育所総合支援センターのまとめで分かった。勤務開始時間では、パート求職者の過半数が「午前9~10時」を希望しているが、求人の約6割は「午前7~8時」スタート。慢性的な保育士不足が課題となる中、待遇や勤務時間のミスマッチが復職を阻む一因となっている実態が改めて浮かび上がった。

希望する始業時間グラフ

■始業時間 隔たり大

 8月末時点でセンターに登録した求職者816人のうち潜在保育士495人へのアンケートと、認可園443施設1079人の求人データを突き合わせた。

 それによると、潜在保育士が希望する雇用形態は正規41%、パート41%に上り、臨時フルタイムは18%にとどまった。逆に、求人は臨時フルタイムが63%で最も多く、パート23%、正規14%で続いた。

 勤務開始時間では、パートを希望する潜在保育士の53%が「午前9~10時」を望み、次いで「午前8~9時」30%。「午前7~8時」はわずか5%だった。対する求人は59%が「午前7~8時」始業。保育士側の希望が最多だった「午前9~10時」は10%にとどまり、午後1時以降の求人も20%あった。

 県子育て支援課は「子育てとの両立や、扶養の範囲内で働きたいという求職者は多いが、保育所は早朝の園児の受け入れや午後からの勤務を求める傾向がある」と指摘する。

 給与は潜在保育士の希望額が正規雇用で平均15・3万円なのに対し、求人は正規16・1万円、臨時フルタイム15・2万円と大きなずれは見られない。しかし2013年の県調査では給与に不満で退職した事例も一定程度あったことから、同課は「求人の提示額で満足なのか、さらなる分析が必要」との見方を示す。

■県、準備金など支援

 県は潜在保育士の復職支援として、未就学児を抱える保育士に保育料の半額を、また再就職に必要な準備金を貸し付ける各制度の利用者を募っている。保育料は月額2万7千円を上限に最長1年、準備金は20万円以内。いずれも県内施設に2年間継続勤務すれば全額が返還免除となる。

 県によると、4月1日時点で県内の潜在保育士は1万404人。17年度末までの待機児童解消には、3年間で約2300人の保育士確保が必要と試算する。県は16年度の第5回保育士合同就職説明会を11月22日に那覇市の県市町村自治会館で、第6回を26日、北中城村のイオンモール沖縄ライカムで開く。どちらも午後1時半から。

 問い合わせは貸し付けが県社会福祉協議会、電話098(882)5703。説明会が県保育士・保育所総合支援センター、電話098(857)4001。