【ジョン・ミッチェル特約通信員】米軍キャンプ・シュワブで2002年から16年の間に少なくとも43件、7011リットルの流出事故があったことが、本紙が情報公開請求で入手した米軍の内部文書で分かった。キャンプ・ハンセンでは04年から16年の間に71件、5千リットル以上が流出。計114件、1万2千リットル以上の事故はいずれも日本側に通報されていなかった。ずさんな処理も続々と判明した。

◆キャンプ・シュワブ

 キャンプ・シュワブでは16年5月9日、ジェット燃料1060リットルの流出があった。環境担当者が兵士を訓練していなかったことが原因だった。

 05年9月には工事中の業者が燃料パイプを誤って切断し、946リットルの軽油が川に流れ出した。関係者が事故に気付いたのは4日後。すでに川は長さ120メートルにわたって汚染され、深い所では5センチたまっていた。

 事故報告書が「有害物質が公共の水源地に流出するのを許した」と厳しく批判した事例もある。02年6月、水陸両用車の底にたまる油や潤滑剤、水が混じった4024リットルが処理施設から流出した。監督官が現場におらず、事故発覚後も見て見ぬふりをしたという。

 09年4月には、基地内道路で200メートルにわたって作動油が漏れ、海に流れた。沖縄防衛局の複数の職員が目撃したにもかかわらず、海兵隊は日本側に通知しなかった。事故原因は、車両を運転した海兵隊員の訓練不足だった。

 また、油水分離装置の能力が不足しており、報告書は大雨では機能しないと指摘している。例えば09年6月、自動車修理施設から151リットルの航空燃料が流れ出し、一部は海に達したことが確認された。この時、海兵隊は砂浜には「影響なし」と結論付けていた。

◆キャンプ・ハンセン

 キャンプ・ハンセンで発生した流出事故71件のうち、少なくとも6件は基地外への影響があったが、日本側への通報は1件もしなかった。

 不十分な管理が事故につながっていた。10年8月、硫酸1リットルが容器を焦がして漏れた。11年12月には、次亜塩素酸カルシウムの漂白剤7キロが米軍とオーストラリア軍の合同演習から送り返されたコンテナで見つかった。うち2キロが化学反応を起こし、開けた軍人は皮膚や目の炎症を訴えたという。

 コンテナの中身を示す書類は未記入で、貯蔵方法も間違っていた。さらに、海兵隊の監督官が事故を1カ月以上放置。最終的に報告した後になって基地は緊急事態を宣言し、地元消防にも連絡を入れた。化学消防隊が現場を除染し、コンテナは牧港補給地区に運ばれた。

 08年11月、海兵隊員が重機の駐車場を水で洗い流していた時に排水口がつまった。内部の事故報告書は油類4リットルほどが「基地外の日本の小学校近くまで」流れたと指摘している。

 10年5月には、車のラジエーター液606リットルが修理施設でこぼれ、一部が海へ。部隊が施設に不慣れだったことが原因とされた。

 大きな事故の多くは人的要因で発生。07年1月には、飲食店が集まるフードコートの雨水管から食物油脂1136リットルが付近の駐車場に流れた。車が燃料管を踏んで破裂させた12年8月の事故は数日間気付かれないままで、軽油946リットルの流出につながった。