米軍の内部文書で次々と明らかになる、隠蔽(いんぺい)された有害物質の流出事故とずさんな処理。キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンで隠されてきた計114件、1万2千リットル以上の流出に対し、地元住民や環境団体から怒りの声が上がった。

米軍キャンプ・ハンセン=7月、金武町

砂川かおり

米軍キャンプ・ハンセン=7月、金武町 砂川かおり

 「本当にそんなことがあったのか」。ハンセンの地権者の一人で金武町の仲田一夫さん(80)は米軍のいいかげんさに驚いた。「絶対に許されることではない。被害は町民に来る。黙っていてはいけない」と憤り、関係機関に抗議するよう促した。

 シュワブのある名護市の基地対策担当者は、「報道が事実であれば」と前置きした上で「日米で環境補足協定を結んだと言うが、そもそもこういう事実が日本側に必ず通報される仕組みをつくるべきではないか」と強調。「県民の生活環境を守るために、沖縄防衛局は米軍との調整役であるはずだ。このような事態を把握できない原因が日米地位協定にあるというなら、それは日本政府の怠慢だ」と批判した。

 米軍基地返還跡地のダイオキシン問題に取り組む「読谷村の環境問題を考える会」世話人の新里春子さん(68)は「米軍も防衛局も、基地内の環境汚染事故は隠蔽したいのだろう」と語る。「結局、知らないのは県民だけという構図が、何十年も続いている。私たちはそれに慣れてはいけない」と訴えた。

地元への通報は当然 砂川かおり沖国大講師

 化学物質の流出を地元に通報しないとは、あってはならないことだ。河川や海は汚染が広がりやすく、さらに子どもたちが遊んだり、漁業をしたりする場所でもある。そこに化学物質が流出したら非常に危険だ。基地内で事故が起きることも問題だが、今回は基地の外にまで流出していることが明らかになった。

 1995年から米海兵隊の環境部がトレーニングをやっていると言うが、きちんとマニュアル通りに実行されているかを沖縄側でチェックできない。化学物質が流出して汚染された場合、すぐ処理するのが環境部の役割だが、実際に機能しているのか疑問に思う。

 本来起きてはならないが、流出したら速やかに自治体に報告し汚染の拡散を防ぐべきだ。今回、これだけの事故が明らかになった。沖縄防衛局が米軍の責任を追及しないなら、県や市町村が追及すべきだ。(環境法、談)