久しぶりに訪れた沖縄市の泡瀬干潟。景色は一変していた。素足で感触を楽しんだ遠浅の海に工事用道路が延び、その先に大型クレーンが6基見える。埋め立て工事が着々と進む

▼衝撃を受けた、と書きたいところだが、本当は知っていた。丼勘定の過大な計画や自然破壊について何度か取材し、記事を書いた。その後、異動や多忙を理由に手を付けなかっただけだ

▼似たような感覚は大宜味村の「結の浜」埋め立てでも味わった。土地の需要に疑問があり、反対運動があることも知っていたのに、関心を持ち続けられなかった。あの時は、出現した荒れ地に立ち尽くした

▼知らなければ何も行動しなくていい。いつの間にか終わっている方が楽だ。ただ、取り返しがつかないことに気付いた後、悔やむことになる。その味はどこまでも苦い

▼翁長雄志知事にとっては、東村高江周辺のヘリパッド建設問題が同じだろうか。オスプレイ配備は反対で、機動隊を大量投入した工事強行も「到底容認できない」が、建設自体への賛否はあいまいなままにしている

▼ヘリによる物資空輸に夜間工事と、国は年内完成に向けて突き進む。しかし、完成は終わりではない。むしろ、高江集落にとっては新たな騒音被害の始まりだ。知事が今、態度を明確にしないのなら、後から何を言ってもむなしい。(阿部岳)