沖縄県内を訪れる観光客の増加で、那覇空港や大型商業施設を抱える豊見城署に落とし物の届け出が相次いでいる。一日平均約130個。同署会計課の職員は対応に追われている。

落とし物がぎっしりと並ぶ豊見城署の保管倉庫

 ことし1月から9月末までに、県内14署には16万6270個の落とし物が届けられた。うち、豊見城署は約3万7千個で、全体の2割余と、全署中で最多だ。

 2007年の改正遺失物法で、保管期間は6カ月から3カ月に短縮された。だが、県内では外国人観光客の増加なども相まって、保管する倉庫には落とし物がぎっしりと並ぶ。

 休日明けの月曜日、会計課職員7人は午前9時半から作業を開始。届けられた落とし物は旅行バッグや財布のほか、暑くて脱いだのかセーターもあった。職員は拾われた場所や色、大きさ、中身などを細かくデータ入力した。

 県警はホームページで落とし物を公開。持ち主が落とした日時や物の特徴を保管している署に問い合わせ、本人しか知らないデータと照合できれば直接受け取るか、送料負担で郵送を希望することもできる。

 同署には、飛行機内にブラウスを忘れた高齢の女性から「高価な物ではないが愛着があり大事にしていた。戻ってきてうれしい」と感謝の手紙が届いたこともある。会計課の比嘉徳正課長は「手間と時間はかかるが、落とし物にはそれぞれ持ち主の思い出がある。一日も早く持ち主に返すのが仕事」と話しながら、せわしなく手を動かした。(社会部・山田優介)