沖縄の声を本土や海外に届ける戦略を探るシンポジウム「沖縄から問う報道と表現の自由」(共催・沖縄タイムス社、沖縄国際人権法研究会、特別協力・連合沖縄、後援・沖縄弁護士会)が21日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれた。毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏は、安倍内閣は報道の「中立性」を旗印に日米安全保障と原発政策での批判を封じる姿勢が顕著だとし「権力を監視するのがメディアの最も大事な使命だ」と訴えた。

「報道と表現の自由」について論議するパネリストら=21日午後、那覇市久茂地・タイムスホール

 機動隊員による市民への「土人」発言に関し、ジャーナリストの安田浩一氏は明らかな差別発言だと強調。差別の構造は「権利を主張する少数派を引きずり下ろし、社会を分断することだ」と分析した上で「社会のきしむ音を聞き、強い者に声を発するのがメディアの責務だ」と提言した。

 沖縄2紙記者の拘束問題には「沖縄の記者は権力にものを言う。今の日本社会はそういう人をたたく傾向がある」と指摘した。

 ワシントンポストのアンナ・ファイフィールド東京支局長は、本紙のジョン・ミッチェル特約通信員が米軍サイトへの接続を遮断された問題に「シリア、イラン並みの市民監視で、民主主義国家として絶対にあってはならない」と非難し、ほかのメディアが抗議しなかったことを疑問視。海外メディアも安倍政権の報道機関への姿勢に懸念を持っていることを報告した。

 報道の公平性に関し、安田氏は「権力側と市民が公平というのは、あり得ない」と強調。沖縄タイムスの石川達也編集局長は「圧倒的な権力の前で抵抗する市民の側に立って報道する立場は、今後も変わらない」とし、沖縄の不条理を本土へ伝える努力を続ける考えを示した。

 加藤裕弁護士がコーディネーターを務めた。