自民、公明両党は21日、それぞれ税制調査会の総会を開き、2017年度税制改正の議論に入った。17年3月と5月に特例措置が期限切れとなる沖縄関連税制の議論も本格化する。

 翁長雄志知事はこの8月、鶴保庸介沖縄担当相に酒税の軽減措置など9本の税制改正について延長や拡充を求める要望書を提出した。内閣府は2本の制度の拡充を認め、残り7本は3~5年の延長を財務省に要請している。

 自民党内には特例措置について「いつまで続けるのか」「実績が伴わない制度は切られても仕方がない」との意見があるという。

 このような声は延長要請のたびに上がるが、辺野古新基地建設などを巡り安倍政権と県が対立している時期だけに、いつにもまして厳しい交渉になることが予想される。

 政府・与党は沖縄関連税制をその取引材料にしてはならない。

 同時に県としては特例措置の必要性や特例措置が打ち切られた時の影響を調査し、これまで以上に理論武装していく必要がある。

 例えば沖縄関連税制のうち「観光地形成促進地域制度」は創設された12年度から14年度の適用実績がゼロだ。これは投資税額が控除される対象に宿泊施設が盛り込まれていないなど、使い勝手が悪かったからである。

 今回、内閣府は県の要望に沿って宿泊施設を対象に盛り込んでいる。認められれば観光客の受け皿として弾みがつくだろう。 

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 期限切れの時期になると決まって浮上するのが復帰時の激変緩和として残る「酒税の軽減措置」である。

 1972年5月15日の適用からこれまで5年おきに8回延長されてきた。泡盛で課税額の35%、ビールで20%が控除されている。

 内閣府によると、泡盛酒造所は復帰時と同じ48社あるが、21社は離島にあり、15社が営業赤字である。2015年の泡盛総出荷量は11年連続で減少し、消費回復に向けて有効な手が打てていない。全酒造会社の泡盛を貯蔵する古酒の郷(さと)構想も事業化に至らず停滞したままだ。

 軽減措置が恒常的に続き、経営の近代化や協業化が進んでいないのが実情である。業界が現状打開への危機感を示さなければ延長の理解は得られないだろう。泡盛は沖縄の文化であり、離島の産業である。その点も前面に押し出していく必要がある。

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 「航空機燃料税の軽減措置」は、国内線のジェット燃料1キロリットル当たり1万8千円かかるところを那覇空港を離着陸する便は半額とする制度だ。沖縄路線が割高にならずに済んでいるのはこの制度のおかげである。

 15年度の観光客は過去最高の793万人に上った。県が目指す観光客1千万人を達成するためにも特例措置の延長は欠かせない。

 政府は沖縄を「成長するアジアの玄関口。日本のフロントランナーとして経済再生の牽引(けんいん)役」と位置付けている。日本経済にとっても必要な措置である。