ハブにかまれる被害が年間で最も多くなる秋の沖縄。県内のハブ類4種の咬症は減少傾向だが、畑よりも庭や玄関など屋敷内でかまれる割合が高くなっている。昨年は4割が屋敷内だった。10、11月はハブ咬症防止運動月間。専門家は「ハブは身近にいる。隠れやすい場所をつくらないで」と呼び掛けている。(学芸部・榮門琴音)

ハブの牙から毒を出す寺田考紀さん=南城市・県衛生環境研究所

市販されているハブ退治スプレー(右)とハブ捕り器

ハブの牙から毒を出す寺田考紀さん=南城市・県衛生環境研究所 市販されているハブ退治スプレー(右)とハブ捕り器

 例年、畑が最も多かったが、「昨年あたりから屋敷内の割合が増えている」と県衛生環境研究所主任研究員の寺田考紀(こうき)さんは話す。15年のハブ類4種(ハブ、サキシマハブ、ヒメハブ、タイワンハブ)の咬症67件を発生場所別でみると、屋敷内29件(43%)で、畑19件(28%)を上回った。ハブは咬症23件のうち屋敷内7件(30%)で、畑7件に並んだ。

 ハブは夜になると活動するが、日中でも庭の茂った雑草の影や通気孔の中で寝ていることがある。屋外の洗濯機の中や鍵の隠し場所に潜んでいたハブに気付かず、手を伸ばしてかまれた事例もあった。

 ハブの体長は標準で1・3メートル。とぐろを巻いた状態からの攻撃距離は体長の約半分の65センチ。対象物までの到達時間は0・3秒という速さで「よけられない」(寺田さん)。ハブがいることに気付かず、近づいたり踏んづけたりしてかまれることが多いため、寺田さんは「かまれないための一番の秘訣(ひけつ)はハブを先に見つけること」と説く。

 まずは、屋敷内でもハブがいるかもしれないと注意を払い、隠れやすい場所をつくらないことが重要だ。雑草はこまめに刈り、使っていない植木鉢は片付ける。石垣の隙間を埋めたり、通気孔に網を張ったりするのも効果的。市販のハブ捕り器やハブ退治スプレーもある。

 ハブ咬症は年々減っているが、寺田さんは「ハブは原生林を必要とせず、人の生活圏でも十分生きていける」と注意を促す。