インタビューに答える伊佐勉ヘッドコーチ(撮影:渡瀬夏彦)

 琉球ゴールデンキングスの伊佐勉ヘッドコーチ(HC)に単独ロングインタビューを敢行したのは、11月10日。3連敗を喫した直後だった。

 3連敗は、伊佐がヘッドコーチになってから初めてのこと。ショックが大きかったのではないかと若干心配したが、そこは勝負師、きっちり気持ちのスイッチの切り替えは完了しており、明るい表情で率直に語り続けてくれた。

 最初に聞いたのは、Bリーグ序盤戦を戦っての手応えについてである。

 ――bjリーグ最終の昨シーズンあたりから、新リーグのための準備をされてこられたと思います。それが「人もボールも動くバスケ」「高さに対して平面の動きで勝負するバスケ」だと理解していますが、準備はうまくいったとお考えですか?

 「Bリーグが開幕してみると、予想以上にレベルは高かった、という感想を持ちました。具体的に去年のbjリーグとの比較で言えば、こちらがいいシュートで終われない場面が増えたのは確かだな、と。しかし昨シーズンまで準備してきたことによって、このリーグで十分戦えるレベルまで来られたかな、準備をしてきてよかったな、とも思っています」

 ――他の旧bjチームもそれなりに準備してきたのも事実ですよね。

 「はい。旧NBLのレベルが高いことは元々わかっていたわけで、その意味ではどの旧bjチームも新リーグに向けて準備してきたと思います。新しく入った外国籍選手のサイズや能力のレベル、日本人選手のスピードも相当に上がっています。実際、(旧NBLの)名古屋さんの2戦目で負けたのと同じような逆転負けを大阪(旧bj)さんにもしてしまいました。ミスとは言わないまでも、1回のちょっとしたエラーで試合をひっくり返されてしまい、1勝のはずが1敗という経験をしてしまいました。それがBリーグなのだと感じています」

 ――見ている側にはどうしても試合終盤のミスが印象に残りやすいです。最終盤の大事な場面でのあのターンオーバーさえなければ、あのフリースローの1本さえ外していなければ勝てたのに、と悔しくなるわけですが、ヘッドコーチの目にはどう映っていますか?

 「もちろん最後のミスだけが問題なのではなくて、最初にイージーなシュートを外したのは誰か、などと言い出したらキリがありません。最後のミスをした選手だけの責任ではない。ただ、最後にああなってしまう(一つのエラーで試合の流れを相手に渡してしまう)のは、このリーグの厳しさを表しているかもしれません。試合終盤の選手たちの疲労感が、昨シーズンまでと違うわけです。でも、その厳しさのなかで試合の最後までしっかりしたプレーのできる選手やチームこそが生き残っていく、ということなんだと思います」

 伊佐は、どんなときも決して選手に責任転嫁をすることのないヘッドコーチだ。そういう物言いの背後には、必ず自身に対する真摯な反省がある。伊佐が続けた。

 「エナジーレベルが低くて勝てない場合、問題はメンタルの部分にあります。大阪さんに連敗してしまったのも、大阪さんの『勝ちたい』という気持ちが僕らより上だったからです。選手たちのエナジーレベルを上げきれなかった僕の責任です」

 ――久々に戦った桶谷大ヘッドコーチの印象はどうでしたか?

 「桶谷さんらしく、ディフェンスのいい、手堅いバスケをするチームをつくっているな、と思いました。ベテランと若手の起用のバランスもうまくて、選手を上手に乗せていましたね。桶谷さんは、沖縄のホームのムードをよく知っているので、大阪が流れに乗って、キングスの選手もファンも、しゅんとさせてしまえばこっちのもん、というぐらいの余裕があったかもしれません。ちょっとしたことで、すぐに30点差、40点差がついてしまうという怖さを教えられました」

 ――さて、レイショーン・テリー選手の加入について、お尋ねします。まずシーズン途中の戦力補強という意味では、タイミングは間に合ったと思われますか?

 「はい。外国籍選手の交代なら今しかない、というギリギリのタイミングだったと思います。退団したモー・チャーロ選手も、もっとチームに馴染めば能力的には期待できる人でしたが、このままフィットしなかったときのリスクも正直なところありました。ですから、新選手獲得のタイミングとしては、ベストだったと考えています」

 ――獲得に際しては、フロントとの話し合いで決められたんですよね?

「そうですね。テリー選手のビデオをよく見て、話し合って決めたことです。うちのゲームプランの遂行レベルを上げてくれる選手だと感じました」

 ――実際に練習に合流して何日も経つわけですが、ひと口に言ってどんな印象の選手ですか?