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  • 若年性認知症の男性がネットで資金を募り、体験の書籍化を目指す
  • 「いつも支えられてばかりだが、今度は自分が誰かの役に立つ番」
  • 目標は150万円。詳細はクラウドファンディングサイト「Link-U」で

 県内で初めて若年性認知症を公表した豊見城市の大城勝史(かつし)さん(42)が、インターネットを通じて広く資金を募るクラウドファンディングで、自身の体験を書籍化する夢に挑む。完治しない苦悩や葛藤を抱えながら、周囲や職場の理解を支えに自分らしく過ごす日々をつづる。目標金額は150万円で、千部の発行を目指す。「認知症の本人だからこそ、伝えられることがあると思う。どうか私にチャンスを下さい」(社会部・新垣綾子)

家族で焼き肉を楽しむ(左から)大城勝史さん、弟の博也さん、智也さん、父の義健さん、妹の城間小百合さん=21日、那覇市内(金城健太撮影)

 大城さんは2015年4月、40歳でアルツハイマー型認知症と告げられた。その数年前から物忘れなどの症状などがあり、消えゆく記憶を記録するため14年2月にブログをスタート。今月23日で2千回に達した。

 ブログを始めたころから、本の出版が目標だったという。「外見からは分かりづらい病気を理解してもらえず、時にはイライラし苦しんだ。私を含め同じ境遇にある人のことを知ってほしい」と思ったのが理由。支援者に「間接情報や研究者の話で症状や気持ちを想像するだけでなく、当事者の声が聞きたい」と言われたことも後押しした。さらに決意を強くしたのは、娘たちの存在だ。

 かつては自動車販売会社の営業マンだったが、体調を崩してからは入退院を繰り返し、現在は洗車担当として週4日のパート勤務。「大黒柱として働けず、情けなくて落ち込んだこともあるが、他のお父さんにはできない、かっこいい姿を見てもらいたい」

 4人兄妹の一番上。父義健さん(64)は「勝史が病気になってから、さらに兄妹の絆が強くなった。親としてもうれしい」。弟の智也さん(40)はこまめに大城さんと連絡を取り、相談に乗ったり食事やドライブに誘ったりしてきた。「やると決めたら突き詰める性格。自分を表に出して努力を続ける姿に、力をもらっている」と兄を語り「誇りに思う」と言葉を継いだ。

 大城さんは「何もできなくなるというマイナスイメージが付きまとう認知症だが、そうじゃないと訴えたい。いつも支えられてばかりだけど、今度は自分が誰かの役に立つ番です」と意気込む。

 沖縄タイムス社のクラウドファンディングサイト「Link-U(リンクユー)」から支援できる。朝日新聞社のサイトとも提携し県内外に情報を発信する。締め切りは来年2月10日で、本は6月ごろ完成予定。サイトのURLはhttps://a‐port.asahi.com/okinawatimes/