目薬は数が多いほどいいのでしょうか? 外来で患者さんのお話を伺っていると、いくつも症状があり、数多くの薬を希望なさる方がいます。お気持ちはよく分かりますが、それって、目にいいことでしょうか?

 病状、進行具合によっては、例えば、緑内障の薬を3種類、まれに4種類使わざるを得ない方もいます。白内障手術の後は3種類の目薬を使いますが、3か月程度です。そのようなケースは例外として、私は、原則として薬は必要最小限にすべきだと考えています。多くの薬を長期間にわたって使うと、目の表面に傷ができる、などの副作用が起こることがあります。

 また、すべての目薬をちゃんと目に作用させるためには、5分以上間隔を空けることが必要です。そうしないと、先に入れた薬は、後に入れた薬に押し出されて、十分に効果を発揮できません。ところが、5分以上空けるのは結構大変で、守られていないケースもあります。それで、数が多いと、肝心な薬が効いていないこともあります。

 ですから、例えば、白内障の予防薬や疲れ目の薬を使っている患者さんが、緑内障の治療が必要になった場合には「今、一番大事なお薬だけを使いましょう」と説明して、今まで使っていた薬は止めるようにしています。優先順位を考える、ということです。

 目の表面には、角膜(黒目)と結膜(白目)があります。検査用の色素をつけ、一般的に普及しているフィルターを通してみると角膜の傷の様子が分かります。最近では、特殊なフィルターを導入し、角膜の様子がさらに詳しく、また結膜の傷まで、観察できるようになりました。ドライアイでは、角膜よりも結膜に傷が多く見られます。

 それに対し、薬剤毒性角膜症(薬の副作用)では、結膜の傷は軽度です。薬剤毒性の場合、まずは今使っている薬を中止し、防腐剤の入っていない人工涙液のみにするのが基本です。そして、目の表面がきれいになってから別の薬を試します。そうやって、薬の数が雪だるま式に増えないように工夫しています。

 目薬の種類が2倍、3倍になると、防腐剤による影響も2倍、3倍になり、副作用が出る可能性が高くなります。

 また、まさか目薬で、と思われる方が多いと思いますが、中には、心臓、肺に影響を与え、ぜんそくを悪化させるものもあり、使用中の目薬は、内科の主治医にもきちんと伝える必要があります。

 目薬は、眼科主治医とよく相談の上、必要最小限にとどめたほうがいいでしょう。(宮平誠司 首里眼科)