人種と学歴の壁を才能と絆で越える物語…。と言えば痛快なストーリーを想像してしまうが、切ない展開が途切れないのは実話ゆえだろう。

奇蹟がくれた数式

 舞台は1914年。独学で数学を研究するインド人のラマヌジャン(デブ・パテル)は英国ケンブリッジ大学の数学者ハーディ(ジェレミー・アイアンズ)に数式を記した手紙を書き、その力を認められて大学に招かれる。

 だが、保守的な雰囲気漂う名門は、植民地から来た天才を拒絶する。周囲を説得するハーディ。世は第1次世界大戦に突入し、学内が殺伐とし始め、さらにラマヌジャンを病魔が襲う。

 思想の異なる2人が数学という共通言語を通して理解を深め合い、共に壁と向き合う。わかりやすい感動はないが、友情が力まずに描かれて作品に説得力を持たせている。(学芸部・松田興平)

◇シネマQで11月26日から上映予定