那覇市の興南高校(我喜屋優校長)で25日、専修大学の山田健太教授(言論法)が「マスメディアの役割と力」をテーマに出前授業をした。同校フロンティアクラスの2年生37人に日本のマスメディア、ジャーナリズムの現状を伝え、情報を発信する責任について考えた。同大文学部50周年記念事業の一環で、沖縄タイムス社が協力した。

報道の自由とメディアの役割について、分かりやすく解説する専修大学の山田健太教授(右)=25日、那覇市・興南高校

 山田教授は、日本の新聞の発行部数が約5千万部で全国の世帯数に匹敵し、世界でもマスメディアの影響が強い国であることを紹介。事実を正確に伝えるため、「本来は実名報道が原則」と述べた上で「マスメディアには影響力に伴う責任がある。書かれた人たちがどうなるかに配慮し、メディア自らの判断で書かない」と、時に匿名報道になる意味を説明した。

 ネットでは少年事件でも実名や住所、顔写真まで流され、「土人」発言のような差別的な言葉が飛び交う状況を指摘。「情報発信に責任が伴うことを、誰もが知っておく必要がある」と強調した。

 生徒から出された「マスメディアの報道と民意にギャップがあるのでは?」との質問には「福島では原発、沖縄では基地と、地元で関心の高いニュースが紙面を占めるのは普通のこと。何が民意かは難しいが、選挙、世論調査、集会など住民の直接行動でとらえている」と答えた。