40歳以上で10年以上に及ぶ引きこもりの調査に、当事者とその家族らでつくる「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」(東京)が初めて乗り出すことになった。

 引きこもりに至った経緯や支援の有無を分析し、社会参加に結びつけるような具体策を提言するという。

 引きこもりは「通学や仕事をせず、他人と関わる外出をせずに6カ月以上、家にいる人」と定義されている。

 内閣府は今年9月、15~39歳の「引きこもり」が全国で推計54万人に上るとの調査結果を公表している。

 2010年に続く調査で、前回に比べ約15万人減ったが、改善したとみるのは早計だろう。引きこもりの期間は「7年以上」が約35%と前回の2倍超となり、引きこもりになった年齢も35~39歳で約10%と倍増しているからだ。

 引きこもりは不登校、就労、家族関係、病気、貧困など複合的な要素が関連している。内閣府の調査でも引きこもりのきっかけは「不登校」や「職場になじめなかった」が最多だった。

 調査は引きこもりの「長期化」「高年齢化」の傾向が顕著になっていることを示しており、40歳以上の実態把握をする意義は大きい。

 引きこもりが長引けば長引くほど社会復帰は困難を来す。家族を孤立させず、支援の手を差し伸べるためにも、まずは実態調査が必要だ。

 当事者団体が調査をすることも重要だ。政策として何が不足しているのか、当事者の声を最大限反映させるような調査にしてもらいたい。

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 「80・50問題」という言葉をご存じだろうか。

 80歳前後の高齢者が引きこもりの50歳前後の未婚の子どもと同居している状態をいう。親の年金などで暮らしていける間はいい。だが、親の介護が必要になったり、死亡したりした場合は、親子の生活が破綻し、子どもの生活が困難になる事態に直面する。

 県は今年10月、県立総合精神保健福祉センター(南風原町)内に「ひきこもり専門支援センター」を開設した。

 相談支援を受けている人は37人。年代のはっきりしている人のうち40代以上の引きこもりは約3割に上る。

 センターにも高齢の親から自分が亡くなった後の子どもを案じる相談があるという。

 新聞に「長期引きこもり初調査」の記事が出た日はセンターの電話が途切れることがなかった。県内でも深刻であることがうかがえる。

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 引きこもりの全県的な支援組織で、昨年結成された「引きこもりを考える会おきなわ」(豊里友治会長)は県議会と県に陳情書を提出している。要請しているのは三つ。40歳以上を含めた実態調査、地域ごとに社会と橋渡しをする「居場所」づくり、親の会や支援者、行政による連絡協議会の設置-である。

 実態調査のほか、就労前の中間的な施設と、孤立しがちな家族を支えるための組織である。他者との関わりを早期に始めることが引きこもりから脱する道であることがデータでも示されている。県には真剣に検討してもらいたい。