華道家の假屋崎省吾さんが2017年1月、首里城で約4百年ぶりに琉球王朝時代の生け花を披露する。当時の文献などから、沖縄で自生していたとされる草花を使い、“假屋崎”流に再現する予定。「時代の雰囲気を再現して、花という命あるものを感じてもらいたい」と意義を語った。(デジタル部・與那覇里子)

首里城での生け花披露に向けて思いを語る華道家・假屋崎省吾さん=那覇市久茂地・沖縄タイムス社

「向姓家譜(一)」。天啓7年、尚豊王の弟、尚盛が島津家久から花伝書などを渡されたなどと記されている

首里城での生け花披露に向けて思いを語る華道家・假屋崎省吾さん=那覇市久茂地・沖縄タイムス社 「向姓家譜(一)」。天啓7年、尚豊王の弟、尚盛が島津家久から花伝書などを渡されたなどと記されている

 假屋崎さんは「世界遺産の首里城に、地元の人が訪れる機会が少ないと耳にした。沖縄の人に、沖縄の文化を誇りに思ってもらいたい」と、生け花の披露を企画した。しかし、首里城では、前例がない場合は披露ができないと断られたという。

 そこで、尚泰王四男家の当主で、桃原農園の尚厚社長の協力を得て資料を探したところ、文献が見つかった。金武御殿門中会によると、「向姓家譜(一)」に1620年代ごろ、生け花を持ち込んだのが尚豊王の弟、尚盛と記されていた。島津家久から花伝書などを渡され、首里城で花が生けられていたとする描写も残っている。

 假屋崎さんはこれまでにも松山城や名古屋城などでも生け花を披露してきた。「首里城は沖縄戦で消失しても多くの人の手で再建された威厳のある城。琉球の神髄であり、象徴である場所で、一人でも多くの人に花をめでて感動してほしい」と思いを語る。

 これまで100回以上も沖縄を訪れ、花、陶芸、食文化に触れてきた。「自生のストレジアもあり、クロトンもたくさんの種類がある。1月には桜が咲く。こんなに不思議な地域はない。これまでのインスピレーションを生け花に映したい」。現在、披露に向けて草花を選び、構想を練っている。

 生け花の披露と展示は、首里城内の書院・鎖之間で1月13日から。今回は、小中学生への「花育」をはじめ交流会も計画している。