まるでゴーサインが出たといわんばかりに映る。翁長雄志知事が、東村高江周辺の米軍北部訓練場へのヘリパッド建設を「苦渋の選択」と容認する発言から一夜明けた29日の県警の動きだ

▼早朝から、辺野古の新基地建設に反対する市民らの活動拠点や個人宅などを家宅捜索し、威力業務妨害の疑いで4人を逮捕した。高江でも、ヘリパッド建設に抗議する市民の逮捕者が出た

▼知事の発言には、建設反対の市民から落胆の声や公約との整合性で批判が出る一方、「諦めない」と抗議行動を続ける思いを新たにする声も上がった。基地の過重負担に抗(あらが)う思いが交錯するさなかのタイミングに違和感を覚えざるを得ない

▼反対派の一斉家宅捜索に、市民らは「運動の弾圧」と反発する。4人の逮捕容疑は、1月にキャンプ・シュワブゲート前で起きたもの。なぜいまなのか。知事発言を担保にするかのような捜査に、批判が出るのも当然だろう

▼辺野古や高江で基地建設に反対する運動や抗議行動の現場に足を運ぶ人たちの願いはひとつ。取材に行くたびに確信する。これ以上、沖縄に基地はいらない-

▼緑深い高江では連日、抗議する市民らとゲート前に並ぶ警備員、機動隊員がにらみあう異様な状態が続く。反対運動を押さえ付けようとすればするほど、反発は高まるだけだろう。(赤嶺由紀子)