沖縄県の米軍嘉手納基地で10月19、20日の未明、米本国の空軍に所属するF16戦闘機が相次いで離陸し、100デシベル前後の爆音が測定された。同基地の司令官は、回避できなかった理由を「上層部の判断」と釈明したが、指揮系統が異なる外来機による“騒音防止協定違反”を防ぐ策は1カ月以上たった現在も示されないままだ。(中部報道部・溝井洋輔)

嘉手納基地のF16(10月19日撮影)

F16戦闘機の未明騒音を米軍に抗議した三連協の野国昌春北谷町長(右から2人目)ら=北谷町砂辺・嘉手納基地第1ゲート前

嘉手納基地のF16(10月19日撮影) F16戦闘機の未明騒音を米軍に抗議した三連協の野国昌春北谷町長(右から2人目)ら=北谷町砂辺・嘉手納基地第1ゲート前

 そもそも深夜・早朝の爆音被害は恒常的で、滑走路に近い屋良地区では2015年度、80デシベルを超える騒音が210回、うち90デシベル超は10回発生したことが町のデータを基にした本紙のまとめで分かった。外来機の規制と併せて抜本的な対策が改めて求められている。

 午後10時から翌朝6時までの米軍機の飛行は日米の航空機騒音規制措置(騒音防止協定)で規制されている。しかし、「運用上必要な場合を除く」という文言によって、嘉手納基地周辺では住民が騒音被害に遭っているのが実情だ。

■苦情が殺到

 ことし10月の2日連続の未明爆音で測定された値は「電車通過時の線路脇」に相当する100デシベル前後。寝静まった時間である、午前2時30分~3時30分ごろに起こされた町民からの苦情が町に殺到した。

 當山宏町長や沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長らの申し入れを無視する形で、米軍が2日目も離陸を強行した点も、その異常さを際立たせた。

 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)は10月27日に同基地に抗議した。その席で第18任務支援群司令官のポール・オルダム大佐は謝罪した上で未明の回避を模索したものの上層部の判断で避けられなかったと釈明した。