太平洋戦争中、フィリピンで父親の故冨里樽二(たるじ)さんと生き別れになった、サロメ・フサト・ベリノさん(78)ら3人のきょうだいが1日、沖縄を初めて訪れた。那覇空港では、義妹の嘉味田光子さん(67)ら親族約20人が出迎え。きょうだいたちは「やっと会えた」と何度も抱き合い、長年待ち望んだ対面を涙を流して喜んだ。

親族と抱き合って喜ぶカリダッド・フサト・コメズさん(手前右)、ハイメ・ロドリゲス・フサトさん(後方左から2人目)=1日午後、那覇空港(喜屋武綾菜撮影)

 糸満市出身の樽二さんは戦前、フィリピンで家庭を築き8人の子どもに恵まれた。戦中、米軍に捕まり、家族を残したまま強制送還された後はフィリピンに戻ることはできなかった。

 来沖したのは樽二さんの三女サロメさん、三男ハイメ・ロドリゲス・フサトさん(76)、五女カリダッド・フサト・コメズさん(71)。長女はカナダで暮らしており、残り4人はすでに亡くなっている。

 3人はこれまで無国籍状態で生活してきたが、支援団体の支援を受け、ことし10月に日本国籍が回復した。3日には親族とともに糸満市にある樽二さんの墓を訪ね、4日帰国する。