味の決め手は「秘伝のだし」。豚骨ベースのほどよいコクとうま味が丸麺に絡む、絶妙なスープの味わいが舌を喜ばせてくれる。2014年9月のオープンからわずか1年で「八重山そば選手権」の初代グランプリに輝き、今年の選手権で2年連続の栄冠をつかんだ新進気鋭のそば屋だ。

ソーキ、てびち、三枚肉が別皿で付く「八重山そばスペシャル」(900円)

地元客らでにぎわう店内。木のぬくもりを感じる「和」の空間が広がる=石垣市新川

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ソーキ、てびち、三枚肉が別皿で付く「八重山そばスペシャル」(900円) 地元客らでにぎわう店内。木のぬくもりを感じる「和」の空間が広がる=石垣市新川 地図

 それもそのはず。店主の有田直さん(67)は高校卒業後から「料理一本で生きる」50年近いキャリアのベテラン料理人。「秘伝のだし」は具材をたく汁を、無駄にせず生かす形で試行錯誤し、中華などの料理人の話も参考に生まれた。

 高校卒業と同時に大阪へ飛び、結婚式場の調理場や料亭などで修行した。帰郷後はホテル料理人などを経て旧石垣空港内レストラン「ゆうな」の料理長を約25年間務めた。

 新空港開港の13年3月を機に引退も考えたが、評判の「八重山そば」を惜しむ周囲や家族の勧めで開業を決意。祖母から母へと受け継がれた料亭「小松」の名前を継ぎ、妻光子さん(66)と二人で本格的な八重山そば専門店の経営に乗り出した。

 店は市街地にあった当時の料亭を「ほぼ再現」する形で現在の場所へ移転。古民家の良さを凝縮したおしゃれな店内は木のぬくもりが広がり、ゆったりとした時が流れる。

 人気は「八重山そばスペシャル」(900円)。ソーキ、てびち、三枚肉を別皿にし、卵やニンジン、葉野菜で彩りを添えた上品な盛り付けが美しい。「八重山そば」は500円。「軟骨ソーキそば」「三枚肉そば」「てびちそば」はいずれも750円だ。

 お客さんの笑顔が日々の励みだという有田さん。「心を込めた料理で皆が喜んでくれればそれでいい。まだまだ良い店になるように努力しないといけんね」とほほ笑んだ。(八重山支局・新垣玲央)

 【店舗メモ】石垣市新川2460の1。営業時間は午前11時~午後3時。不定休。テラス席含め約40席。駐車場有り。電話0980(87)0779。