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[大弦小弦]海洋博公園の海洋文化館に石のお金が展示されている…

2016年12月5日 07:22

 海洋博公園の海洋文化館に石のお金が展示されている。直径50センチほどもあって、5円玉のように穴が開いている。太平洋のヤップ島から運んだ

▼結納に土地の売買に、と人生の節目で使われるらしい。大きい物は数メートルもあり、動かせないから所有権だけが移る。価値は固定ではなく話し合いで決まる。日ごろ使っているのは「世界最強の通貨」米ドルで、共存しているところが面白い

▼貨幣が駆け巡って世界は小さくなったが、幸せは増えただろうか。「現代の奴隷制」を訴える動画を見た。150年前、農奴の値段は600万円弱だった。今は、2千円の借金を背負わせれば家族を数世代縛り付けられるという

▼財布に入っている2千円が人々の一生を支配できてしまう怖さ。沖縄ではそば数杯の値段だ。貨幣の力関係によって、命の価値にまで格差がつけられた世界

▼動画では写真家のリサ・クリスティンさんが奴隷労働の現場を報告する。有毒な染料を素手でかき回して、黒く、赤く、青く染まってしまった手。性奴隷。児童労働

▼人身売買や誘拐、詐欺で奴隷が生まれる。現在少なくとも2700万人。「商品には価値があるが、作る人は使い捨て」。商品は沖縄にも届いている。絶望的に不平等な関係であっても、つながっているなら何かを変えられる。その責任もあると思う。(阿部岳)

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阿部 岳
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