亡き妻の仏前に完走メダルを飾りたい-。初出場の西尾康司さん(49)=大阪府=は、前回大会に申し込んだ後にすい臓がんが見つかり、昨年12月に亡くなった妻道子さん=享年47=に完走メダルを供えようと、今大会にエントリーした。結果は中間地点でのリタイア。完走できなかったことを悔しがりながら「来年またチャレンジしたい」と決意を新たにした。

亡き妻西尾道子さんとの2ショット写真を手に「来年は完走」と誓う(右から)康司さんと、あずささん、泉樹さん、桑川かえでさん=4日、奥武山公園

 沖縄好きで10回以上の沖縄旅行を重ね、退職後は沖縄移住したいと話していたという西尾さん夫婦。琉球ガラスの完走メダルが欲しいと、前回大会に夫婦一緒に申し込んだ。

 しかし昨年8月、道子さんに末期のすい臓がんが見つかった。発覚後、3人の子どもたちと家族5人で2度、沖縄旅行したが、NAHAマラソンへの出場は断念。大会事務局に依頼し、届けてもらった2人分のゼッケンと大会Tシャツを病室に飾り、闘病を続けたが、道子さんは昨年の大みそかに亡くなった。

 康司さんは、道子さんに完走メダルを見せたいと今大会の出場を決め、春から練習を重ねてきた。

 子どもたちは、30キロ地点で夫婦2ショットの写真を貼ったうちわなどを準備し待っていたが、父の勇姿を見ることはできなかった。

 康司さんは「暑さと人混みの中で、自分のペースが分からなかった」と振り返り「1年間練習して、来年は完走メダルを飾りたい」と意気込む。来年3月に子どもが生まれる予定の長女桑川かえでさん(25)は「来年は孫も一緒に、今日使ったうちわも持って応援する」とエールを送った。