【山城博明通信員】ブラジル沖縄県人会(島袋栄喜会長)創立90周年記念事業の一環として「第2回国際フォーラム」が11月19日、サンパウロ州議会フランコ・モントーロ講堂で開かれた。アルゼンチンやチリから、200人を超えるウチナーンチュが結集し、国や世代を超え、100周年に向けて結束を新たにした。基本的にポルトガル語で講演が行われ、スペイン語圏からの参加者は自国語で意見を述べた。沖縄県留学生研修会OB会「うりずん」(松本カリナ沙登美会長)の共催。

伝統継承を誓ったコレジオ・ブラジリアの学生=サンパウロ

 テーマは「先祖の遺産、将来への懸け橋」。島袋会長は先月沖縄で開催された世界のウチナーンチュ大会に触れ「言語の異なる28カ国から集まったが、先祖の遺産を大事にしていることが大会の絆だった。このフォーラムもわれわれが何者なのかを知り、将来につながる良い機会だ」と喜んだ。

 第1部のテーマは「歴史と記憶」。うりずん創設者の与那覇真司さんは特徴的な慣習として法要を例にとり「各節目には意義があり、物心両面で家族の絆を強めるもの」と重要性を指摘。「核家族化が進む中で法要は心のよりどころとなるはず」と語った。

 社会学博士のアナ・ルイーザ・カンパーニャ・ナカモトさんは、祖父母の足跡を例に「移民研究を通し、祖父母の口から聞いたことのない史実を聞いた。沈黙の中にこそ歴史が埋まっている」と指摘し「われわれはその歴史を知る責任がある」と訴えた。

 第2部のテーマは「伝統と変容」。三線奏者のヴィニシウス・サダオ・タマナハさんは「時代や言語が違う中で、根本的に本質を理解することは難しい」と語りつつ「伝統芸能はウチナーンチュであることを表現する心のより所。自分たちに意味あるものに変えていくことも重要」と語った。

 コレジオ・ブラジリアの学生4人は、アイデンティティー確立につながるとして「母県との交流」の重要性を指摘。「ウチナーンチュの精神は、私たちの中に息づいている。それが風化していくなんて想像できない」と語った。

 講演後は伝統をいかに継承するかについて議論。参加者からは「小さいときから周りに文化が存在することが重要。刻まれた記憶はいつか開花し、アイデンティティーを探るきっかけになる」との声もあり、幅広い意見交換が行われた。

 昼食後には芸能公演もあり、最後は会場一体のカチャーシーで伝統継承への誓いを新たにした。