沖縄県内でここ数年、急増する日本語学校の留学生。故郷を離れ、はるばる海を越えて門をくぐった学びの場で、「人権無視」と指摘される実態が明らかになった。

日本語学校に通う留学生の寮の一室。3段ベッドが4台敷き詰められた部屋に8人が生活する。1人当たり家賃は月2万5千円で、数百人の学生を受け入れている=本島南部(提供)

 県内の日本語学校が併設する学生寮には“劣悪”といえる住環境も存在する。都市部の学生寮では、ワンルームに男子学生8人がひしめきあうように共同生活を送る。ワンルームに3段ベッドが4台敷き詰められ、通路はかろうじて横幅1メートルほどの空間しかない。

 出入り口のほかに、窓は一つ。部屋にテレビや洗濯機はない。荷物置き場はなく、空いているベッドを使う。家賃は1人当たり月2万5千円。単純計算で、学校側はこのワンルームだけで1カ月に計20万円の家賃収入を得ることになる。

 寮には共用の台所さえなく、学生は「自炊で節約できず、寮の食堂などを使うしかないが、寮の食堂は口に合わず、高い。食費がかさんで仕方ない」と不満を漏らす。寮内には複数の監視カメラも設置され「見張られているようだ」という。改善を訴えても、学校側に「母国でも同じようなもの(住環境)だろう」と返されたこともある。

 こうした寮の存在は、県内で珍しくない。別の日本語学校の古びたアパートでも、3LDKに男子学生が最大13人生活していた。結核の集団感染が発覚し、現在は6人に減らしたものの、1人当たり月2万1千円の家賃を徴収する。県内の日本語学校関係者は「ただでさえ高い授業料を引き上げるわけにもいかず、自前の宿舎や賃貸した寮に学生を住まわせ、利益を得る学校もある」と明かす。

 日本語学校の認定事業を担う日本語教育振興協会(日振協)はガイドラインで「宿舎の環境の善しあしが学生の健康や生活、勉学意欲に大きな影響を及ぼすため、整備に十分な配慮を払うこと」と規定。日振協の関係者は取材に「全国で1部屋に8人も、3LDKに13人も聞いたことがない。ひどい環境でガイドラインの精神に沿っていると到底言えない」との認識を示した。

 県内の日本語学校の多くが寮を併設する一方、住環境をチェックする第三者機関はない。法令違反が発覚しない限り、内部調査は行われないのが実情だ。