来年度の与党税制改正大綱案が固まった。

 沖縄関係では、県が延長を求めていた9項目のうち、酒税の軽減措置など7項目で延長幅がこれまでの5年から2年に短縮される厳しい内容となった。

 泡盛やビールに適用される酒税の軽減は復帰後の激変緩和として始まり、今回で9度目の延長となる。過去8回はいずれも5年の決定だった。

 それにしてもなぜ2年に短縮されたのか。なぜ3年でも4年でもなく2年なのか。

 本来、暫定的に講じられる措置が半世紀近く続いていることに「甘え」だという声があるのは事実だ。2年という延長幅は他の租税特別措置に合わせたものという与党の言い分にも理がある。

 だがこの間の動きを振り返ると、割り切れなさが残る。 延長幅短縮の流れができたのは、先月中旬、菅義偉官房長官が「2年サイクル」の見直しに言及した後である。

 その後、自民党は軽減措置延長に絡めて、県酒類製造業連絡協議会に党の「職域支部」の創設を持ちかけた。党勢拡大に協力すれば便宜を図りましょうとも受け取れるメッセージだ。

 前々回の延長要請では、時期が県知事選と重なったことから、党推薦候補の応援と税制を取引するような「利益誘導」が指摘された。

 今回の2年案は新基地建設問題で対立する翁長雄志知事をけん制するとともに、再来年の知事選を意識した対応のようにも見える。時の政権が選挙対策として税制を使えば、公平・中立の原則は歪(ゆが)む。

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 10月に県酒造組合は、5年後の出荷量を今より25%増やし2万4千キロリットルとする中長期戦略を発表したばかりだ。軽減措置の延長幅が短縮されたことによる戦略の見直しは避けられないだろう。

 県と組合は早急に、その影響について全ての事業者から話を聞き、対策を講じる必要がある。

 事業の協業化や経営の近代化が思うように進まず、市場開拓などで有効策を打ち出せなかった、これまでの総括も必要だ。

 総出荷量が11年連続で減少する中、泡盛業界はかつてない大きな岐路に立たされている。吹き始めた逆風をどうはね返していくのか。

 泡盛は琉球王国時代から続く銘酒で、沖縄の食、芸能、工芸などとも深く結び付いたかけがえのない文化的産業である。私たち県民も無関心ではいられない。

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 今回の税制改正では観光地形成促進地域の優遇措置の対象にホテルを加えてほしいという県の要望も認められなかった。利用が少ないことなどが指摘されたが「使える制度」に向けた改正が必要だっただけに残念である。

 唯一要望通りとなったのは航空機燃料税の軽減措置の3年延長だ。鉄道が網の目のように張り巡らされている本土と違って沖縄では飛行機が生活の足である。観光をはじめとした産業振興にも欠かせない。航空運賃の低減につながる燃料税の軽減措置は、今後も議論の余地なく必要な制度である。

影響調べ早急な対策を