「命を捨てるということは、人間としての心を捨てるということ」。中部農林高校の農業祭で開かれた課題研究のプレゼンテーションのひとこま。熱帯資源科3年の池宮美加利さんと嶺井葵子さんは「沖縄の捨て猫の現状と課題~命の授業」をテーマに、犬や猫の殺処分をなくそうと訴えた。

殺処分ゼロなどを訴える「猫プロジェクト」を紹介する中部農林高校熱帯資源科の生徒ら=3日、中部農林高校

 池宮さんたちは、ことしの夏、同校職員の家の前に捨てられていた子猫を保護したことをきっかけに、新しい里親が見つかるまでの「猫プロジェクト」を立ち上げた。

 猫は、犬と違って狂犬病予防接種や登録が義務付けられていない現状を問題視。(1)室内飼いや避妊・去勢などの「適正飼養」(2)法整備の必要性(3)住所や連絡先を書き込んだ「迷子札」の普及-を提案している。

 現在、元気に育っている人懐っこい3匹の子猫たち。生徒たちはイベントなどで譲渡会の案内や、去勢手術に必要な費用を賄うための募金活動も行っている。

 同校では十数年前から、命の大切さと殺処分ゼロを訴える出前授業「命の授業」を続けている。地域の小中学校などに出向き、生徒たちがプレゼンテーションを行う。熱帯資源科動物コースの大城光志教諭は「実際の飼育を通して、命について考えることで慈しみの心を育てたい。命を粗末にすることが、虐待やいじめにつながりかねないということも訴えていけたら」と意義を話す。

 生徒が自らテーマを決めて、企画・プレゼンを行うことで「課題を相手に伝えるコミュニケーション能力を養うことにもつながる」とも話し、命の授業を通した生徒の成長にも期待する。

 「犬や猫にどんな罪があるのでしょうか」。プレゼンした池宮さんと嶺井さんはこう問い掛ける。人間の身勝手な行動で捨てられる動物たちの命は人間の命と同じだと。「動物には人間の心を癒やす力がある。動物の遺棄は犯罪。殺処分という悲しい道をなくしましょう」と力を込めた。
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