おもろまちにある新都心公園で、若い女性がウオーキングしている姿をよく目にするようになりました。その目的の多くがウオーキングダイエットです。ダイエットには運動と食事が不可欠ですが、小麦やお米は太るから食べないという糖質制限ダイエットも、若い女性で広がっています。飲食店でライスを残す客が増え、すしのネタだけを食べ、ドーナツの売り上げも減っているといいます。よいという評判も聞きますが、中には体調を崩してしまう人もいて、問題はないのでしょうか?

 糖質制限ダイエットの歴史は古く、論文も数多く発表されています。最も有名なものが、1970年代にアメリカで流行したアトキンスダイエットです。アトキンスダイエットはそれなりの効果はあげたものの、動物性タンパク質や脂質の摂取は制限しないため、従来のダイエットと比較して、心臓血管系の疾患のリスクを高めることがわかり、すたれていきました。最近、糖質制限食を糖尿病の治療に導入することが行われ、再び注目されています。

 ヒトの主食は昔から米や麦と思われていますが、麦や米を食べる習慣は農耕や牧畜が始まった約1万年前からで、人類は大半を狩猟、採集生活で生きてきました。農耕による炭水化物、牧畜による肉や脂肪の摂取量が増えたのです。

 肥満はその頃から発生してきたもので、小麦などの穀物類を必要以上に摂取すると、インスリンなどのホルモンが分泌され、脂肪の蓄積を促し、肥満になることがわかってきました。インスリンをつくりすぎて膵臓が疲れると、糖尿病になることもわかってきました。さらに牛や豚にありヒトにない、グリコリルノイラミン酸という糖脂質がアレルギーをおこし、動脈硬化を引きおこすこともわかってきました。

 沖縄県はかつては長寿日本一でしたが、アメリカの影響を受けた食生活で、肥満率は男女共に全国トップとなり、糖尿病や心臓血管疾患が増え、男性は短命県になってしまいました。肥満は医療費を上げ、寿命を縮める一番の原因です。糖質制限ダイエットは、現在の沖縄県に適切な食事療法と考えます。

 肥満の方は、小麦やお米などの糖質を控え、野菜や根菜類を多くして全体的なカロリーを抑え、鳥や魚介類、大豆などのタンパク、植物性油などは必要なだけ摂取します。糖質を極端に制限しますと、脂肪肝になったり、ケトン体が増え、神経性食思不振という疾患をおこす可能性がありますので、ゆるやかな糖質制限をお勧めします。(町田宗正 町田医院)