【平安名純代・米国特約記者】トランプ次期米大統領は7日、テロ対策などを統括する国土安全保障長官に元海兵隊大将のジョン・ケリー氏(66)を指名する方針を固めた。新政権の要職に就く元軍高官はこれで3人目。米メディアはタカ派色の強まりに警鐘を鳴らしている。

 トランプ氏は、国防長官に元海兵隊大将で中央軍司令官を務めたマティス氏、国家安全保障問題担当の大統領補佐官に元陸軍中将で元国防情報局長のフリン氏の指名をすでに発表した。文民統制(シビリアン・コントロール)を重視してきた歴代政権とは対照的に、安全保障面を担う要職に次々と軍人を起用している。米紙ワシントンポストは「元軍高官が国防長官に起用されたケースはほとんどない」と指摘し、「トランプ氏は周囲を軍人で固めている。これは危険な兆候だ」との識者らの見解も併せて報じた。

 米誌ビジネス・インサイダーは7日、マティス氏とケリー氏、留任が確実視されている制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長ら海兵隊高官らが談笑している写真を掲載。イラク戦時に大将だったマティス氏の部下だったケリー氏とダンフォード氏ら海兵隊の上下関係が、今度はホワイトハウスに場を移すことになると説明。新政権は海兵隊カラーが鮮明になりつつあると報じた。

 一方でトランプ氏は8日、環境保護局(EPA)長官にオクラホマ州司法長官のスコット・プルイット氏(48)の起用を発表。プルイット氏は声明で、「環境を保護する責任と米企業の自由のために尽力する」などと企業の利益も重視する姿勢を示した。ブルイット氏は、過去に石炭火力発電を巡り同局の規制が厳しすぎると主張し、規制撤廃を求めて訴えを起こすなど、環境保護の規制に強く反対してきた人物だ。

 EPAは、在沖米海兵隊のグアム移転を巡る環境影響評価や米軍施設の環境問題との関連が深く、環境保護を巡る方針転換は在沖米軍基地問題に影響を与える可能性もある。バーニー・サンダース上院議員は「プルイット氏の指名は危険。環境よりも事業を優先させるというトランプ氏のメッセージだ」と警鐘を鳴らしている。