政府は22日に2017年度予算案を閣議決定する。内閣府に計上される沖縄関係予算は概算要求額の満額確保が困難な情勢で、かなり厳しい内容になりそうだ。

 17年度沖縄関係予算の概算要求額は、一括交付金が大幅に減額され、16年度当初予算より140億円少ない3210億円に圧縮された。

 政府は要求額からさらに110億円削り、3100億円前後で大詰めの調整を進めているという。

 来年、期限切れを迎える沖縄関係の税制も、軽減措置の適用期限が従来の「5年延長」から「2年延長」等に短縮されることが決まったばかり。

 追い打ちをかけるような沖縄関係予算の減額は、翁長県政をけん制するための「見せしめ予算」だと受け止められている。

 額の増減よりも問題なのは、沖縄振興体制そのものが大きく変質しつつあることである。

 何がどう変わったのか。

 総理府の外局として設置された沖縄開発庁は2001年1月、中央省庁再編に伴い内閣府に統合され、内閣府の内部部局として沖縄振興局が設置された。それが第1の変化である。

 2年前から内閣官房に内閣人事局が設置され、各省の幹部人事を一元管理するようになった。それが第2の変化である。官邸の省庁コントロール力が格段に強まった。

 沖縄担当部局も官邸の意向を気にしながら仕事を進めることが多くなった。県との関係は開発庁時代に比べ、とげとげしくなっている。

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 名護市辺野古への新基地建設をめぐる国と県の対立が深まったことで、安倍官邸は、基地と振興策がリンクしていることを公然と主張するようになった。これが第3の変化である。

 政府は17年度沖縄関係予算の概算要求の中に「沖縄・地域安全パトロール隊」の経費として8億7千万円を盛り込んだ。

 「犯罪を抑止し、県民の安全・安心を確保するため、青色パトカーを使用し、防犯パトロールを行う」のだという。一体、何のことか。

 元米海兵隊員の軍属による暴行殺人事件を受け、政府が再発防止策の一環として始めた事業だ。

 パトロール隊は6月にスタート。当初、沖縄総合事務局の管理職が対応していたが、現在は、採用した非常勤職員が業務に当たっている。

 この事業はあまりにも問題が多い。それだけの費用を投じて、それに見合った効果が得られるのか疑問である。

 経費を沖縄関係予算に計上するのも腑に落ちない。

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 沖縄関係予算を減らすことで経済界や県民を動揺させ分断を図る。アメとムチを巧妙に使い分けることで翁長県政に対する包囲網を築く。

 政府や自民党は、県に対して「懲らしめてやれ」という感覚で対応してはいないか。沖縄担当部局は沖縄との関係が希薄になっていないか。

 情熱を込めて沖縄振興に取り組んできた開発庁OBの沖縄への向き合い方から学ぶべきことは多い。