東村高江の県道70号。米軍北部訓練場のヘリパッド建設に、土砂を積んだトラックが向かう。工事現場の出入り口、N1地区ゲートから約80メートル。記者の足元をモスグリーンの小さな体が横切り、路肩の草陰に消えていった。そっと近づいてみると…オキナワキノボリトカゲだ。(学芸部・榮門琴音)

トラックが通るたびに風で揺れる草木につかまるオキナワキノボリトカゲ(手前)=1日午前10時50分、米軍北部訓練場N1ゲート付近の県道70号

 体長約15センチ、つぶらな瞳に長いしっぽ。「アタクー」や「グリーンバンバン」など呼び名も多いなじみのトカゲだが、乱獲や生息地の破壊で数が減っているという。隣にしゃがみ、地上40センチからトラックの往来を見つめてみた。

 トラックが通るたび、排ガスを含んだ風が草木を揺らす。トカゲは道路側を向いて小枝につかまり、頭を左右にカクカクと振る。周りの葉は飛び散った泥で灰色の斑点模様。マスクの中までほこりっぽいが、トカゲはその場を離れない。

 「何かおるんですか?」

 機動隊員が話し掛けてきた。緊張が続くゲート付近でかれこれ15分、トカゲよろしく地面にへばりついているのだ。目につくのも無理はない。

 「トカゲがいますよ」

 指さした先を隊員がのぞき込む。

 「ほんまや!」

 その場の空気が一瞬、和らいだ気がした。