カンボジアやウガンダ、コンゴ、ブルンジなどの紛争地域で地雷除去や元子ども兵の社会復帰支援などを手掛ける認定NPO法人テラ・ルネッサンス(京都市)。理事長の小川真吾さんが11月末、講演のため来県した。長く続いた紛争の背景には、石油や鉱物資源を巡る大国の利権争いと、それを必要とする私たちの消費行動が深く関係しているという。子ども兵の現状と支援の現場、私たちにできることは何か、小川さんに聞いた。(学芸部・座安あきの)

テラ・ルネッサンスの社会復帰支援事業で、ミシンを使った縫製作業を学ぶウガンダの元子ども兵(同NPO提供)

紛争地域の元子ども兵の社会復帰支援について語る小川真吾さん=那覇市久茂地・沖縄タイムス社

テラ・ルネッサンスの社会復帰支援事業で、ミシンを使った縫製作業を学ぶウガンダの元子ども兵(同NPO提供) 紛争地域の元子ども兵の社会復帰支援について語る小川真吾さん=那覇市久茂地・沖縄タイムス社

 企業や団体からの寄付に支えられた同NPOの支援活動は今年15年目を迎えた。昨年の寄付会員数は全国で延べ1440人・団体で総額約1億3千万円。沖縄からは個人56人と6団体が継続的な寄付で協力している。

 小川さんは「自衛隊の派遣でなくても、日本だからこそできる国際貢献は山ほどある。決して遠い国の話ではないということを、多くの人に伝えていきたい」と話す。

 アフリカ中央部にあるウガンダ北部では、1980年代から20年にわたり「神の抵抗軍」と呼ばれる反政府軍と政府軍の間で紛争が続いた。戦力に使われたのは、まだ判断能力のない子どもたち。誘拐、監禁された後、殺人への抵抗をなくさせるため、最初の「任務」として親や兄弟を殺したり、四肢を切り落としたりすることを強要されることもあり、少女兵の場合は性的な奴隷として使われた。

 2006年8月の停戦合意後、反政府軍の活動規模は縮小しているが、隣国に追いやられた神の抵抗軍が子ども兵を連れだし、コンゴで略奪行為や誘拐を繰り返した。依然拘束されている子ども兵は推定千人に上るという。

 現在、小川さんが活動しているウガンダやコンゴの社会福祉施設では、コンゴで保護されたウガンダの元子ども兵らが職業訓練を受けている。

 彼らは10歳前後に誘拐されて長期に拘束され、現在は20歳前後。解放されても身体的、精神的な傷は深い。女性は10代で大人の兵士と強制結婚させられ、妊娠して帰ってくるケースが多いという。「忘れられた紛争と言われ、世界に知られていない。社会復帰が難しいのに、十分な支援がなされていない現状がある」。

 同NPOはこれまでにウガンダで192人の元子ども兵とその家族ら約1200人、コンゴではさらに孤児や性的暴行を受けた女性、貧困層を含む711人、ブルンジでは約千人の紛争被害者に、洋裁や養蜂、窯業など職業訓練を通した生活支援をしてきた。

 小川さんは、紛争の原因になった石油や鉱物資源の利権争いでは「最大の輸入国の一つである日本も無関係ではない」と指摘。「アフリカの人からみると日本は信じられないほど大量消費、大量廃棄を繰り返している。私たちがこれらの資源を使う製品を無駄遣いしない、買わないという消費行動をとることで、現状を変えていく力になる」と強調した。

 寄付など支援方法についての問い合わせはテラ・ルネッサンスホームページ、または電話075(741)8786。