気象予報士 小笠原範光さん(43)=那覇市出身

 6年間にわたり、ニュース番組のお天気キャスターとして活躍した。爽やかなルックスに加え、的確なデータ分析に基づいた予報を分かりやすい言葉で伝える姿勢は視聴者から信頼を集めた。「ただ予報や数値を伝えるのでなく、体感的なものを大切にする」。今も変わらぬスタンスだ。

「自然と対峙する厳しさはあるが、日々挑戦」と語る小笠原範光さん=東京・池袋の日本気象協会

 高校で物理学に興味を持ち、幅広い分野から専攻を選べる筑波大学へと進学した。さまざまな授業を受け、気象学と出合う。普段、何げなく見上げる空が物理の方程式によって予測されるなど、「生活に溶け込んでいるところが面白い」と専攻に決めた。

 大学院ではエルニーニョ現象など地球規模での気候変動を研究し、1994年に始まった国家資格、気象予報士試験に挑戦した。平均合格率約5%の狭き門を2度目の挑戦で突破。「社会の中で気象学を実践したい」と業界大手の日本気象協会を志望し、企業や自治体向けの予報を担当する気象部門に配属された。

 2002年からは名古屋、中京テレビのお天気キャスターとしてお茶の間に登場するようになった。

 「予報だけでなく、季節感を感じられる話題を提供しよう」と自ら植物園で取材し、草花の生態を調べた。名護の桜祭りから日本一早い桜を中継するなど、天気と日常の密接な関係を伝えてきた。「視聴者が何を知りたいか。防災的な予報も含め、伝え方の幅が広がった」と振り返る。

 現在は東京本社の環境・エネルギー事業部に所属し、太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの安定供給に向けた高精度の予報モデルを研究する。その働きぶりは「国も絡むインフラ事業なので、シビアな結果を求められるが中核となっている」(滝谷克幸執行役員)と上司からの信頼も厚い。

 「太陽光も風も強い沖縄は予報も難しい。そこに予測技術を取り入れたい」と目標を語った。(小笠原大介東京通信員)=連載・アクロス沖縄<30>

 おがさわら・のりみつ 1973年那覇市生まれ。首里高校、筑波大学自然学類(当時)を経て、大学院2年時に気象予報士に合格。97年、日本気象協会に入社。2002年から6年間中京テレビお天気キャスターを担当。同協会の専任主任技師として環境・エネルギー事業部に所属。