沖縄県南風原町在住の平良正子さん(77)が絵本「風のおばさん」300冊を自費出版した。東京から来た「みみちゃん」が村の少年と交流する物語。44年前に亡くなった一人息子の誠悟君(享年9)に「女の子の友だちをつくってあげたい」との願いをかなえた。「明るい気持ちで読んでほしい」と期待する。

絵本を出版した平良正子さん(中央)と作画を担当した矢野綿子さん(右)、寄贈を受けた南風原町立図書館の神里智館長=日、南風原町

 誠悟君が病気で亡くなって40年が過ぎたころ、原作を思いついた平良さん。「悲しむのではなく、前向きに歩いていく絵本にしたかった」と話す。

 作品中、小学校1年生のみみちゃんは村の少年「兄ちゃん」と友人になり、自然に囲まれた村で沖縄を満喫する。「兄ちゃん」は病気で亡くなるが、亡くなったことを知らされなかったみみちゃんは「また会える。また来年沖縄に行く」との思いを胸に東京へ戻る。

 色鉛筆やパステルによる爽やかな絵も印象に残る。イラストを担当した矢野綿子さん(34)は「平良さんのイメージする景色に近づけた。大切な話が生きるように、気持ちを込めた」と振り返る。

 物語の進行役「風のおばさん」は平良さん自身をイメージしたという。「未来に向かって歩いていくみみちゃんを身近に感じている。『風のおばさん』として物語を見守りたい」と続編にも意欲をみせている。

 「風のおばさん」は新星出版刊、1300円。問い合わせは南風原町文化協会事務局、電話090(3794)6016。