【沖縄】沖縄市胡屋十字路から東へ約500メートルの通称「くすの木通り」(県道20号)で現在、拡幅工事で一時的に北中城村の公園内に移植されているクスノキ49本が瀕死(ひんし)の状態となり、通りに戻れない可能性が出ている。クスノキ並木の景観を知る住民からは「もう一度、緑のトンネルが見たい。しっかり対策をしてほしい」との声が上がる。(中部報道部・比嘉太一)

移植され弱体化するクスノキ。葉が一つも付いてない=13日、北中城村・中城公園

かつてクスノキが生い茂り「緑のトンネル」と呼ばれていた、くすの木通り=沖縄市胡屋(仲宗根健昌さん提供)

移植され弱体化するクスノキ。葉が一つも付いてない=13日、北中城村・中城公園 かつてクスノキが生い茂り「緑のトンネル」と呼ばれていた、くすの木通り=沖縄市胡屋(仲宗根健昌さん提供)

 県道20号を管理する県中部土木事務所によると胡屋―泡瀬線の道路拡張工事に伴い、クスノキを移植したのは2008年6月ごろ。工事終了後に植え戻すため、59本を一時的に県が管理する中城公園内に移植した。だが、移植後はかつてのように葉が生い茂ることはなく、生育が良好でない状態が続く。

 移植されたクスノキは7~10メートルの高さだが現在、葉が1枚もない。幹は3本の支柱に支えられ、今にも倒れそうな状態だ。同事務所の担当者は「原因は分からないが大きな木を移植し、育成させることは難しい。専門家に見せたい」と説明。「このまま生育がうまくいかなければ、移植ができなくなる」と話す。

 同事務所は今後、クスノキを診断し「再移植できなければ、新たなクスノキの購入も検討しなければいけない」と述べている。

 かつての通りはクスノキの高木が並木トンネルをつくり、市民に親しまれていた。通り沿いに住んでいた仲宗根健昌さん(80)=同市=は「もう一度、鮮やかな緑のトンネルが見られると楽しみにしていた。残念でならない」と声を落とす。

 妻の由美子さん(75)は「2階の窓を開けた時の、クスノキの爽やかな香りを忘れたことは一度もない」と振り返る。「県がしっかりと管理すればこのようなことにはならなかったのでは」と指摘した。