新基地建設を巡る辺野古違法確認訴訟の最高裁判決が20日、言い渡される。県敗訴の判断が示される見通しだ。

 弁論も開かないまま判決を下すというのは、「人権の砦(とりで)」であるはずの最高裁が、米軍基地の過重負担に目をつむり、耳をふさぐのに等しい。

 「県敗訴へ」のニュースが伝わった12日、宜野座村城原区の住民が、沖縄防衛局などを訪ね、先週3日連続で実施されたオスプレイのつり下げ訓練に抗議した。

 住宅の真上を、物資をつり下げて、何度も旋回するオスプレイに住民は「人間が生きられる状況ではない」と悲痛な叫びを上げる。

 キャンプ・ハンセンに隣接する城原区は、オスプレイ配備後、昼夜を問わず騒音や振動に悩まされている。住宅地上空や夜間の訓練が制限されているにもかかわらず、だ。

 狭い沖縄にこれだけ演習場や飛行場が集中していることにそもそも無理がある。同じような被害は県内の別の場所でも発生している。

 ヘリパッド建設に反対し、抗議活動が続く東村高江では、すでにあるヘリパッドを使ったオスプレイの訓練で児童が体調を崩し学校を休んだこともあるという。

 にもかかわらず那覇地裁は住民が求めた工事差し止めの仮処分申し立てを却下した。「違法な騒音によって、健康被害を受ける恐れがあるとは言い難い」と、現にある被害を無視するような判断を示したのだ。

 基地の過重負担は将来にわたって続き、沖縄の人たちの権利は脅かされ続ける。

■    ■

 先月あった第2次普天間爆音訴訟で、那覇地裁沖縄支部は「違法な被害が漫然と放置されている」として国に賠償を命じた。

 騒音による睡眠妨害や精神的苦痛を認定しながら、国の支配が及ばない「第三者行為論」を盾にして騒音の発生源である米軍機の差し止めは退けた。

 司法が騒音の違法性を認定しても、事態は一向に改善されない。いつまでこのような訴訟を繰り返せばいいのか。

 9月に環境NGOが、北部訓練場に関係する環境保全について米軍と環境省のやりとりを開示請求した際は、同省が一切の情報を不開示とした。

 オスプレイが生態系へ及ぼす影響が懸念されているというのに、環境影響評価(アセスメント)は行わず、必要な情報も開示されない。これが現実だ。

■    ■

 沖縄の負担軽減を掲げた日米特別行動委員会(SACO)最終報告から20年。判決が確定すれば新基地建設問題は最大の局面に差し掛かる。

 しかし辺野古に建設されようとしているのは、揚陸艦も接続できる新機能を備えた基地である。22日に約半分が返還される北部訓練場は、不要な土地を返す代わりに高江周辺にオスプレイ用のヘリパッドを建設し、上陸訓練が可能な基地として整備される。負担軽減とは名ばかりである。

 行政は選挙で示された民意を無視し、司法は行政の判断を追認する。この現状はあまりに不条理だ。