カステラなどの製造・販売を手掛ける長崎堂グループは沖縄に新たな生産拠点を整備し、那覇空港の国際貨物ハブ機能を使って、アジア向けの販売を強化する。フレッシュさが売りのブランド「黒船」の商品を主体に、県産原料を使った新商品も開発。航空輸送のスピードを生かし、効率的な物流・流通で付加価値を高める。来年2月、沖縄に新会社を設立し、10月をめどに製造工場を稼働させる。(政経部・長浜真吾)

カステラのほか、黒糖やシークヮーサーを使った菓子をPRする長崎堂グループの荒木貴史代表取締役=沖縄タイムス社

 長崎堂グループは3社。創業1919年で贈答用など高級商品を扱う「長崎堂」(大阪)を軸に、「黒船」(東京)、「然花抄院」(京都)。国内は直営6店舗、百貨店に20店舗、量販店約700店にギフトコーナーを持つ。

 海外は上海、香港、韓国、台湾の百貨店に店舗を構え、来年はシンガポール、ベトナム、タイへの出店を計画。グループの売上高は約55億円。

 海外出荷は船輸送が中心だったが、今後のアジア展開をにらみ、航空物流網が充実した那覇空港に着目。沖縄で作った新鮮な商品を、現地の発注に応じて効率的に配送し、付加価値を高める。空輸コストで割高になっても「しっかりブランディングすれば、受け入れられる」(大橋央貢執行役員・沖縄事業担当)

 沖縄では主に「黒船」の商品を製造。新工場はうるま市の中城湾港新港地区を想定している。県産黒糖を使ったどら焼き、シークヮーサーのラスクなども開発。沖縄の新会社が製造管理、県内・海外向けの販売を担い、5年後には30億円の売り上げを目指す。

 荒木貴史代表取締役は「カステラは日本を代表する菓子として、外国人の認知度が高い。日本の2倍の価格帯にもかかわらず、売れ行きは好調」と説明。2019年の創業100周年に向け、海外戦略の重要性を強調し「海外から伝えられた菓子文化が『黒船』のブランドをまとい、ペリーが寄港した沖縄からアジアに出て行く。歴史的なロマンやストーリーも、商品の付加価値になる」と話している。