2017年(平成29年) 11月24日

沖縄タイムス+プラス ニュース

社説[四軍調整官発言]占領軍意識そのものだ

 オスプレイの重大事故が発生した。沖縄県側の当然の抗議にもかかわらず、日米政府から理不尽な対応が繰り返されている。

 事故翌日の14日に開かれた在沖米海兵隊トップのニコルソン四軍調整官による記者会見。しかしその冒頭発言は事故の経緯説明と、「できるだけ沖縄の人たちを守るために浅瀬に向かおうとしたことはよい判断だった」とパイロットを称賛する内容に終始した。監督者としての自らの責任に対する言及はもちろん、県民への謝罪は一切なかった。

 ニコルソン氏が謝罪の意思を示したのは、記者に問われた後だ。だが「確かに事故は残念に思っている。同じ話を副知事にもした」との言葉に心からわびる姿勢は見えない。

 ニコルソン氏が謝ったとする安慶田光男副知事によれば、氏は抗議されることに怒りを示し「パイロットはヒーローだ」「(墜落は)感謝されるべきで、表彰ものだ」とまくし立てたという。

 逆ギレとも言える不遜な態度で、事故の責任者が住民の代表者の前で発すべき言葉ではない。

 米軍高官による同様の発言は、2004年沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落でも耳にした。ワスコー在日米軍司令官(当時)が「人のいないところにヘリを持っていったのは、素晴らしい功績」とパイロットに賛辞を贈ったことは記憶に新しい。

 夏季休暇中とはいえ学生や関係者がいた構内への墜落で、人身被害がなかったのは全くの偶然だ。それを「ベストな対応」とするワスコー氏の認識は、「見当違いも甚だしい」と多くの批判を浴びた。

■    ■

 復帰前の1959年6月30日、旧石川市(現うるま市)の宮森小学校にF100戦闘機が墜落した時もそうだった。児童と住民18人が死亡、210人が負傷し、多数の家屋が全半壊の大惨事にもかかわらず、パイロットは「不可抗力だった」とし「(人口の多い)コザは危うく避けた」と功績をアピールした。

 こうした軍の論理に対しては、当時のワシントン・ポスト紙も社説で「パイロットの責任を見逃すことはできない」と断じている。「米国内でも飛行機事故はあるが、多くの場合、パイロットは一般市民に危害を及ぼさないために自分を犠牲にしてもよいと考えている」と住民被害の一方でパイロットが無傷だったことを疑問視。惨事の背景に沖縄への差別意識があったのではないか、と問題提起した。

■    ■

 オスプレイの重大事故の発生にもかかわらず、日本政府から米軍への抗議の声が聞こえてこない。稲田朋美防衛相は高江ヘリパッドの工事継続を表明し、若宮健嗣防衛副大臣は「普天間の辺野古への移設を進める」とした。

 だが米軍機の墜落事故は北部訓練場の過半を返還し、普天間を辺野古へ移設しても終わらない。それどころか新たにできたヘリパッドや基地からまた発生するだろう。

 政府は、米軍への「おもいやり」を常に優先するこうした姿勢こそが、県民を危険にさらしていることを知るべきだ。

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