年末年始に掛けてせわしくなるこの季節。なんとなく不調を感じていても対処できずに過ごしている人も多いはず。でも、体の内側でその原因は放置されたまま、慢性的な疲れにつながっている可能性も。中国医学(中医学)の理論に基づいて体質に合った食事や漢方薬で病気を予防する大切さを提唱するNPOがんじゅうふぁみりー代表の長嶺荒人(あらと)さんに、健康維持に役立つ中医学の知恵を聞いた。(学芸部・座安あきの)

健康教室の受講者に中医学の理論に基づいて体質に合った食事や漢方薬をアドバイスする長嶺荒人さん(左)=浦添市、てだこホール多目的室

健康教室の受講者に中医学の理論に基づいて体質に合った食事や漢方薬をアドバイスする長嶺荒人さん(左)=浦添市、てだこホール多目的室

 薬剤師の資格を持つ長嶺さんは、浦添市のてだこホール多目的室で毎月3回ほど、体質に合った食事や漢方薬の選び方についてアドバイスする教室を開いている。2008年の開始から、今月5日で365回目を迎えた。長寿県の沖縄を取り戻したいとの思いで、受講無料(印刷代はカンパでまかなう)で続けてきた。

 「今は症状がなくても、自分の体質が分かっていれば、将来なりやすい病気が分かり、予防することができる」と長嶺さん。

 一般的に体に良いといわれる食材でも、「体質によって食べた方がいいものと、避けるべきものがある」といい、現代医学にはない「体質」の考え方を知ることが、効果的な食事や漢方薬選びにつながるという。

 中医学における「健康な状態」とは、人体を構成する四つの要素「気(き)=エネルギー」「熱(ねつ)=熱量」「血(けつ)=血液を含めた栄養」「津(しん)=血液以外の液体」が過不足なく絶えず体をくまなく巡っている状態のこと。

 中医学ではそれぞれの要素の「多い」「少ない」「停滞」で体質が主に8種類に分類され、食事や漢方薬を使ってその不足を補ったり、余分なものを取り除いたり、停滞している要素の流れを良くしたりする。

 例えば、風邪をひきやすくて疲れやすい、声が小さい、少し動いただけで汗が出るなど、いわゆる「くんち不足」な人は「気虚(ききょ)」の体質。「消化器官全般が弱いことが原因で、おなかを丈夫にする生薬『朝鮮人参』や『黄耆(おうぎ)』を取ると改善しやすい」。

 一方、体を温める作用のあるショウガや酢。冷えがある体質の「陽虚(ようきょ)」にはいいが、もともと熱をもった体質の「湿熱(しつねつ)」や「陰虚(いんきょ)」の人にとっては避けるべき食材になるという。

 「ちょっとした症状であれば、漢方薬を使わなくても、食べ物で改善できる。家族の体質を把握し、食材の特性を理解していると、風邪や体調のすぐれないときに適した対処法をとることができる」と話す。

 教室では長嶺さんが問診票からその人の「体質」を割り出し、改善に役立つ漢方薬名や食材をアドバイスしている。「健康保険が適用されている漢方薬なのに、中医学の理論に基づいて処方されているケースは少なく、多くの人が漢方薬の本当の恩恵を受けられていない」との思いからだ。長嶺さんは「漢方薬の間違った使い方をしないためにも、中医学の理論と魅力を広めていきたい」と語った。

 1月の「健康教室」開催日は16、22、29日。問い合わせは長嶺さん、携帯070(5402)1369。メールアドレスはgenmaiomusubi@willom.com