痛風の病名の由来は風が吹くだけでも痛みが発生するために命名されました。紀元前のギリシャ時代からある古い病気です。美食家に多く発病し、貴族の病とも言われていました。フランスの皇帝ナポレオンも痛風に悩まされました。戦後、沖縄県の食文化が著しく変貌し飽食の時代となり、肉魚、ハンバーグ食が浸透し、痛風が増加しています。そこで痛風の病態、治療、日常生活の注意事項を解説します。

 痛風は血中の尿酸が、過飽和状態で結晶として組織に沈着し、多彩な臨床症状を引き起こす疾患です。臨床状態としては(1)急性痛風性関節炎(2)関節への結晶の沈着(痛風結節)(3)尿路結石(4)腎障害-があげられます。

 痛風の基礎にある代謝異常は高尿酸血症で、男女7・0mg/dL以上と定義されています。尿酸はDNAの構成成分である核酸(プリン体)の生合成経路の最終産物です。尿酸の産生、排せつの過程は多くの遺伝・環境因子による影響を受けます。デリケートにバランスのとれた過程に何らかの障害が加わると、高尿酸血症および痛風が誘発されます。血清尿酸値に影響する環境因子には体重、食事、ライフスタイルがあります。

 痛風は成人男性に多発し、発症のピークは40歳代です。痛風は患者さんを一時的に活動不能状態にし、就労に支障をきたし、迅速な治療が必要になります。痛風は放置すれば、3種類の病期(高尿酸血症期、発作期、結節性痛風期)を経て進展しますが、病期それぞれに有効な治療法があります。治療の目標は、急性関節炎の痛みを速やかに軽減し、発作の再発を阻止し、痛風結節や腎結石の形成や関節破壊を予防することです。

 急性痛風発作の治療目標は、痛みと炎症を除去することです。抗炎症薬、ステロイド薬などが有効な薬剤です。強力な抗炎症薬を点滴静注することで発作は、2~3時間で軽快します。予防的治療としては、食事、薬物治療、ライフスタイルを修正することによって急性発作の頻度を減らすことは可能であり、その結果、薬物療法が不要になることもあります。体重減少によって血清尿酸値を低下させ得るし、プリン体摂取制限の食事療法も重要な補助療法です。尿酸降下剤は、治療の目標は尿酸結石が可溶化する程度に血清尿酸値を常に一定に抑える(5・0mg/dL)ことです。尿酸産生過剰の人にはアロプリノールなどの薬剤(3種あり)、排せつ低下の人にはベンズプロマロンを使うことが一般的です。(大浦孝 おおうらクリニック)