ドライブや散歩、ジョギングコースに選びたい道。だれにでもそんなお気に入りの通りがあるのでは。そのひとつに沖縄市の胡屋十字路から東に続く、くすの木通りがある

▼勤務する中部支社は以前は通りに面していた。クスノキ並木の「緑のトンネル」は癒やしそのものだった。十数年前、積載制限を超えた米軍車両が接触してクスノキ1本が折れた時には「木がかわいそう」と騒ぎに。市民の宝ゆえんだ

▼このくすの木通りがいまピンチに立たされている。通りがある県道20号の拡幅工事のため、クスノキは別の場所に移植されているが、その生育が思わしくない(14日付)。葉は落ち、いまにも倒れそうな瀕死(ひんし)の状態に胸が痛む

▼管理する県中部土木事務所は原因が分からないというが、腑(ふ)に落ちない。このままだと、元の場所に戻れない可能性もある。大きな木の移植の難しさを挙げるが、そこはプロの仕事をみせてほしい

▼クスノキは成長の速度は遅いが、着実に大木になるのが特徴。じっくりと地域に愛されて育った木々と向き合うには、スピード感を持ちながらも、着実に大成する「楠(くすのき)学問」が必要だろう

▼もう一度、緑のトンネルがみたい-。通りに親しむ市民らは切実に願う。行政にはもっと知恵を絞ってもらい、大木の根元のように腰を据えた対策を取ってほしい。(赤嶺由紀子)