小泉純一郎元首相やオバマ大統領らの演説を分析した「あの演説はなぜ人を動かしたのか」(川上徹也著、PHP新書)は、名演説に「ストーリーの黄金律」があると指摘する

▼黄金律とは(1)何かが欠落した、もしくはさせられた主人公(2)やりとげようとする遠く険しい目標(3)乗り越えなければならない葛藤や敵対するもの-を挙げる

▼22日に名護市内で開かれたオスプレイ撤去を求める緊急抗議集会での翁長雄志知事の訴えに当てはめてみる。欠落は、配備撤回を求め続けたオスプレイの事故と6日後の飛行再開で翁長知事は「県民を日本国民と見ていない」と憤りをあらわにした

▼険しい目標は、新基地建設阻止とオスプレイの配備撤回。敵対するのは、県民に寄り添う姿勢を見せない日米政府

▼北部訓練場の部分返還の式典と同じ日の抗議集会に出席したことで、翁長知事は辺野古阻止に向けた闘いの新たなステージに突入した。政府と対峙(たいじ)する姿勢を鮮明にし、「心を一つに頑張っていこう」と県民に支持を訴える

▼翁長知事は冷静な計算と配慮の上で、言葉を選ぶ。抗議集会での演説は、厳しい政府との闘いへの覚悟がみなぎる。集会の参加者は万雷の拍手で知事との共闘をアピールした。「マキテーナイビラン(負けてはいけない)」。魂の叫びが人の心を揺さぶり、動かす。(与那原良彦)