うるま市の女性会社員(20)が遺体で見つかった元米海兵隊員の軍属による暴行殺人事件から8カ月がたった。被害者を追悼し、海兵隊撤退を求めた6月の県民大会には6万5千人が集まった。政府は犯罪抑止対策として県警察の増員を決めた。殺人などの罪で起訴された被告(32)は、那覇地裁の裁判員裁判で審理される。初公判は来年の夏ごろになる見込みで、殺意の有無などが争点になる。(社会部・山城響)

女性が殺害された現場付近を捜索する県警の捜査員=5月30日午後、うるま市内

 公開捜査から1週間後の5月19日、県警は被告の供述通り恩納村の山あいから被害女性の遺体を発見。殺害に使われたナイフは発見されていないが、県警幹部は暴行を目的に当初から殺意を持って女性を襲った計画的な犯行とした捜査結果に自信をみせる。

 県民大会では、黒い衣服の参加者が、深い悲しみと事件への激しい怒りの声を上げた。遺棄現場には友人や関係者が、花を手向けた。逮捕から半年を前にした11月には、被害者の父が手記を公表。「これ以上私達のような苦しみ、悲しみを受ける人がいなくなるよう願います」と、やりきれない思いをつづった。

 被告の弁護人は、事件報道や抗議集会の影響で反基地感情が高まったことを理由に「県内では公平な裁判が期待できない」として、東京地裁での審理を求める異例の請求をしたが、最高裁がこれを棄却した。12月22日の本紙の取材に対し、同弁護人は「被告本人の意向が固まらず、弁護方針も決まっていない」と打ち明ける。裁判員裁判に向けての公判前整理手続きも始まっておらず、「裁判は来年の夏ごろにずれ込むだろう」と語った。

 一方、政府は県内の犯罪抑止対策を目的に、青色パトロールカー100台と県警察官100人を増員するなど、安全強化策をPRする。6月から始めた「沖縄・地域安全パトロール隊」の青色パトロール車は、今月から当初目標の100台態勢になった。年明けから県警定員を100人増やす条例改正案が、県議会最終本会議で全会一致で可決されるなど、体制強化が本格化する。

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 2016年も残り1週間余。事件事故や自然災害、子どもの貧困など耳目を集めたことし1年のニュースを振り返り、その後をまとめた。