【糸満】市観光協会(久保田徹会長)は外国人客や大人向けの民泊事業の展開を探る初めてのモニターツアーを17、18の両日に実施した。県内外から20、30代を中心に外国人を含む19人が参加し、観光地巡りとは違った家庭の温かみに触れた。

外国人客や大人向けの民泊モニターになった音楽家、金城カリーさん(右から2人目)。受け入れ先となった井出さん一家が音楽愛好家だったことから即席演奏会が実現した=17日、糸満市伊原(市観光協会提供)

 市観光協会は、宿泊先として旅館業法に基づいて消防や衛生面の基準を満たす簡易宿泊所の営業許可を得た家庭7カ所を受け入れ先に選んだ。市伊原の井出哲夫さん、佳代子さん夫妻の家には県系2世のカナダ人で音楽家の金城カリーさん(33)が訪れた。泡盛酒造所の見学や近所の北名城ビーチ散策、沖縄料理作りを体験した。

 最も満足したのは偶然、井出さん一家が音楽愛好家だったことから17日夜に実現した即席演奏会だった。金城さんは「普通の観光地巡りでは味わえない人との出会いや、暮らしに密着した交流が楽しかった。できればもっと時間がほしかった」と喜んだ。

 市観光協会によると、糸満では10年ほど前から、旅行会社などが扱う修学旅行生向けの民泊に取り組んでおり、学生のころに体験した人たちが、改めて民泊先の家庭と交流するために市を訪れるなど、観光のリピーターになっている。

 市観光協会は一括交付金を使った市の委託を受け、2012年から民泊先となる家庭に消火器や自動体外式除細動器(AED)の使い方、食物アレルギー対策、料理、平和学習などの研修を続け、旅行社などに橋渡しする形で民泊に携わってきた。

 当初、研修を受講するなど民泊先となる家庭は約20軒だったが現在は80軒近くに増え、態勢も整ってきた。市観光協会はモニターツアー参加者に満足度を尋ねるアンケートを採り、外国人客や大人向け民泊を展開できるかどうかを探る。

 市観光協会の民泊担当、西智子さんは「平和学習だけでなく、地元の人でも知る人ぞ知る料理店など糸満らしいスポットを知りたいというニーズに応える新たな民泊を考えたい」と話した。(崎山正美通信員、南部報道部・堀川幸太郎)